2019年1月3日 20時9分
産経新聞
【カイロ=佐藤貴生】サウジアラビアの国営メディアは3日、トルコのサウジ総領事館で起きた反体制記者、ジャマル・カショギ氏の殺害事件に関する初公判が開かれ、検察側が11人の被告のうち5人に死刑を求刑したと伝えた。
サウジのサルマン国王は昨年12月末、ジュベイル外相を降格させるなど大規模な内閣改造を命じ、人事を刷新して仕切り直しをアピールしていた。次期国王と目されるムハンマド・ビン・サルマン皇太子が犯行を指示したとの疑いを払拭し、事件の幕引きを急ぐ狙いがうかがえる。
トルコ当局は容疑者の身柄引き渡しを求め、同国裁判所は昨年12月上旬、ムハンマド皇太子の側近2人の逮捕状を出した。しかし、サウジ側は自国内で裁く意向を示して拒否していた。トルコや欧州諸国から批判の声が高まりそうだ。
サウジ検察は昨年11月、事件の実行犯ら11人を起訴し、このうち5人について薬剤投与や殺人、遺体切断に関与したとして死刑を求刑する方針を示していた。本国に連れ戻す交渉が失敗し、現場の判断で殺害したとの見方を示し、皇太子の関与は完全に否定していた。
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