【ベルリン=宮下日出男、ワシントン=塩原永久】ドイツ経済紙ハンデルスブラットは17日、ドイツ政府が高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムの国内インフラ整備にあたり、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の参入を排除する方策を検討していると報じた。華為製品をめぐっては、米国が機密情報漏洩の懸念から政府調達を禁止。同盟国にも同様の措置を求めており、「包囲網」がいっそうの広がりをみせている。
同紙が伝えたところでは、独政府は5G整備に伴うセキュリティーの条件を厳しくすることで華為が入札に参加できなくすることを検討。この方法でも排除できない場合、通信関連法改正で対応する可能性があるという。国会議員の質問に対する政府の回答から明らかになったとしている。
ロイター通信によれば、ノルウェーも5G整備から華為を排除することを検討中という。
一方、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は16日、華為が米通信大手Tモバイルに産業スパイ行為を働いた疑いで、米連邦検事が近く起訴手続きに入る見通しだと報じた。米中間では華為副会長が逮捕・拘束された問題が火種となっており、米側が起訴に踏み切れば対立が深まりそうだ。
同紙によると、Tモバイルは企業秘密を窃取されたとして、2014年に華為を相手に訴訟を起こした。連邦検事の捜査対象には、訴訟で問題とされた産業スパイ行為が含まれるという。具体的には、華為関係者が機器の納入先だったTモバイルの施設に侵入。スマートフォンの製品テストに使われるTモバイルのロボットを持ち出したとしている。訴訟では17年、華為に対して賠償金の支払いが命じられた。
2019.1.17 22:57
https://www.sankei.com/world/news/190117/wor1901170039-n1.html