【クライストチャーチ=共同】日本人留学生28人を含む計185人が犠牲となったニュージーランド地震は22日、発生から8年となり、被災地クライストチャーチ市内の国立追悼施設で遺族会などの主催により追悼式典が行われた。日本人遺族も参列し、発生時間の午後0時51分(日本時間午前8時51分)に合わせて黙とうをささげた。
地震では、犠牲者のうち日本人留学生28人を含む115人が同市中心部のビルの倒壊で亡くなったが、ビル関係者の刑事責任追及は見送られた。
亡くなった名古屋市守山区の看護師、鈴木陽子さん(当時31)の父で、式典に参列した喜久男さん(72)は「立件断念は今でも無念だが、ニュージーランドなりに手を尽くしてくれたという気持ちもある」と複雑な心境を明らかにした。
富山市の堀田めぐみさん(当時19)の父、和夫さん(64)は「改めて娘が日本を出発してからのことを思い出した。欠陥のあるビルの建設を認可したクライストチャーチ市には引き続き謝罪を求めたい」と話した。
式典には日本から鈴木憲和外務政務官も参列した。クライストチャーチ市のダルジール市長は「2月22日に命を失った人たちのことを家族や知人だけでなく、みんなの記憶にとどめよう」とあいさつした。
倒壊したカンタベリーテレビ(CTV)ビルの跡地は2018年、石碑や供え物を置けるスペースを備えた公園となった。
追悼式典に先立ち、日本人犠牲者らの墓もある共同墓地で遺族らが出席して非公開の追悼式も実施した。
日本経済新聞 2019年2月22日 11:31
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41601470S9A220C1CC0000/