◆ ワイキキビーチ「水没」も、気候変動対応へ法案通過 米ハワイ州議会
世界から大勢の観光客が訪れるハワイ・オアフ島のワイキキビーチ。
このビーチの水没を予想する報告書が発表されたことを受け、対策を盛り込んだ法案がこのほどハワイ州議会の上下両院を通過した。
ハワイ気候委員会が2017年にまとめた報告書では、地球温暖化に伴う海面上昇の影響で、ワイキキビーチは今後15〜20年の間に水没する恐れがあると予想した。
これを受けて同州エネルギー・環境保護委員会議長を務めるクリス・リー州下院議員らが対策法案「HB1487」を起草した。
同法案では、「データが示す通り、ホノルルではあと15年足らずのうちに、都心も頻繁な洪水に見舞われるようになる」と指摘。
海面上昇、洪水、暴風雨といった急激な気候変動の脅威からホノルルの海岸線を守るための「実験プロジェクト」を盛り込んだ。
波による海岸の浸食が進んでワイキキビーチが消滅すれば、年間20億ドル(約2200億円)の観光収入が失われるとリー氏は述べ、もしも大型ハリケーンがハワイを直撃すれば、被害額は総額400億ドルに達する可能性もあると試算する。
州全体のインフラ改修には多額の予算がかかる可能性もあるが、「何もしなかった場合の代償にくらべれば些細(ささい)な額に過ぎない」とリー氏は言う。
法案には炭素税の導入について検討する条項も盛り込まれた。
法案はこのほどハワイ州の上下両院を通過し、わずかな違いを調整したうえで、デービッド・イゲ知事に送られる。
太平洋の島々で構成され、観光収入への依存が大きいハワイ州はこの5年の間に、100%再生可能エネルギーの使用を目指す法案など、温暖化対策関連の法案を相次いで成立させてきた。
CNN.co.jp 2019年4月24日 12時59分
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