https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190521-00010000-nishinpc-soci
21日で10年を迎えた裁判員制度では、これまでに全国で約1万2千人(九州7県では約1200人)の被告に判決が言い渡された。
うち死刑は37人、無罪は104人。裁判官だけの裁判と比べて性犯罪で厳罰化が進んだ一方で、放火や殺人では執行猶予判決が
増えるなど量刑の幅が広がった。
最高裁のまとめでは、3月末までに裁判員裁判で判決を受けるなどしたのは全国で1万2081人(同1189人)。罪名では殺人が最多で、
強盗致傷、傷害致死と続く。
死刑判決を受けたのは、長崎県西海市で起きたストーカー殺人事件や宮崎市の家族3人殺害事件など37人、うち20人が確定した。
無罪判決で最も多い罪名は、覚せい剤取締法違反(営利目的輸入など)で40人。
強姦(ごうかん)(強制性交)や準強姦(準強制性交)で人を死傷させた被告への判決は、裁判員裁判では厳罰化傾向にある。
裁判官だけの裁判(2008年4月−12年3月)は「懲役3年以上、5年以下」(35・4%)が最多だったが、裁判員裁判(12年6月−昨年末)では
「懲役5年以上、7年以下」(26・4%)が最も多かった。
現住建造物等放火罪は、裁判官だけの裁判では執行猶予判決は24・7%、裁判員裁判では40%に増えた。殺人罪では最も多い判決は
「懲役11年以上、13年以下」から、「懲役13年以上、15年以下」に移る一方で、執行猶予判決は3・4ポイント増えた。
最高裁は「裁判官だけの裁判と比べると、軽重の双方向で量刑判断の幅が広くなっている。国民の多様な視点・感覚が量刑に反映された結果」
と分析している。