【7月15日 AFP】
インドは15日、月面着陸・探査機「チャンドラヤーン2号(Chandrayaan-2)」の打ち上げを予定時刻の約56分前に「技術的障害」を理由に中止した。
南部アンドラプラデシュ(Andhra Pradesh)州のサティシュ・ダワン宇宙センター(Satish Dhawan Space Centre)でのカウントダウンは、打ち上げ予定時刻15日午前2時51分(日本時間同6時21分)の56分24秒前に止められた。
インド宇宙研究機関(ISRO)はツイッター(Twitter)で、「打ち上げ56分前に打ち上げ機のシステムに技術的な障害が見つかった」と発表した。「十分な予防措置として、本日チャンドラヤーン2号の打ち上げを見送った。変更した打ち上げ予定日時は追って発表する」と述べた。
インドは月探査機の月面着陸に成功すれば、米国、旧ソビエト連邦、中国に次ぎ4か国目となる。
1969年7月20日にアポロ11号(Apollo 11)のニール・アームストロング(Neil Armstrong)船長が人類史上初めて月面に降り立ってからちょうど50年目を迎えるわずか5日前に打ち上げが予定されていたインドの月探査機には注目が集まっていた。
チャンドラヤーン2号に1億4000万ドル(約150億円)を費やしたインドは、世界で最も低コストの月探査機プロジェクトだとしている。
これと比較して、1960〜70年代に15回実施された米国の「アポロ計画」には約250億ドルの経費が掛かった。現在の価格では1000億ドル(約11兆円)以上に当たる。
チャンドラヤーン2号に搭載された軌道船、着陸船、探査車はほとんどすべてインド国内で設計・製造された。月面着陸は9月6日に予定されていた。
■チャンドラヤーン2号、月探査の概要
インドは2.4トンの軌道船(オービター)を搭載可能なロケット「GSLV Mk-III」を開発。オービターは月の軌道上をおよそ1年間周回して、月面の写真や月の大気に関する情報を地球に送り返す計画。
オービターには1.4トンの着陸船「ビクラム(Vikram)」が搭載され、ビクラムには27キロの探査車「プラギャン(Pragyan)」が載せられた。ビクラムはプラギャンを月の南極にある2つのクレーターの間にある高地に送り届けることになっている。
プラギャンは太陽光を原動力とする、最大500メートル移動。月の1日の間(地球の14日間に相当)に画像やデータを地球に送信する。水の存在を示す証拠を探すとともに、石や土壌の分析も行う。
インドは2008年に月探査機「チャンドラヤーン1号(Chandrayaan-1)」を打ち上げた。月への着陸はしなかったものの、軌道上からセンサーで月面に氷が存在する決定的な証拠を見つけた。
月探査機が着陸に成功すればインドの宇宙計画にとって画期的な出来事となる。インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は2022年までに有人宇宙船を打ち上げると表明しており、国の威信が懸かっている。
さらにインドは火星に探査機を送る意向も持っている。2014年には火星の軌道に衛星を乗せた世界で4番目の国になった。(c)AFP/Arun SANKAR
https://www.afpbb.com/articles/-/3235178
インドは15日、月面着陸・探査機「チャンドラヤーン2号(Chandrayaan-2)」の打ち上げを予定時刻の約56分前に「技術的障害」を理由に中止した。
南部アンドラプラデシュ(Andhra Pradesh)州のサティシュ・ダワン宇宙センター(Satish Dhawan Space Centre)でのカウントダウンは、打ち上げ予定時刻15日午前2時51分(日本時間同6時21分)の56分24秒前に止められた。
インド宇宙研究機関(ISRO)はツイッター(Twitter)で、「打ち上げ56分前に打ち上げ機のシステムに技術的な障害が見つかった」と発表した。「十分な予防措置として、本日チャンドラヤーン2号の打ち上げを見送った。変更した打ち上げ予定日時は追って発表する」と述べた。
インドは月探査機の月面着陸に成功すれば、米国、旧ソビエト連邦、中国に次ぎ4か国目となる。
1969年7月20日にアポロ11号(Apollo 11)のニール・アームストロング(Neil Armstrong)船長が人類史上初めて月面に降り立ってからちょうど50年目を迎えるわずか5日前に打ち上げが予定されていたインドの月探査機には注目が集まっていた。
チャンドラヤーン2号に1億4000万ドル(約150億円)を費やしたインドは、世界で最も低コストの月探査機プロジェクトだとしている。
これと比較して、1960〜70年代に15回実施された米国の「アポロ計画」には約250億ドルの経費が掛かった。現在の価格では1000億ドル(約11兆円)以上に当たる。
チャンドラヤーン2号に搭載された軌道船、着陸船、探査車はほとんどすべてインド国内で設計・製造された。月面着陸は9月6日に予定されていた。
■チャンドラヤーン2号、月探査の概要
インドは2.4トンの軌道船(オービター)を搭載可能なロケット「GSLV Mk-III」を開発。オービターは月の軌道上をおよそ1年間周回して、月面の写真や月の大気に関する情報を地球に送り返す計画。
オービターには1.4トンの着陸船「ビクラム(Vikram)」が搭載され、ビクラムには27キロの探査車「プラギャン(Pragyan)」が載せられた。ビクラムはプラギャンを月の南極にある2つのクレーターの間にある高地に送り届けることになっている。
プラギャンは太陽光を原動力とする、最大500メートル移動。月の1日の間(地球の14日間に相当)に画像やデータを地球に送信する。水の存在を示す証拠を探すとともに、石や土壌の分析も行う。
インドは2008年に月探査機「チャンドラヤーン1号(Chandrayaan-1)」を打ち上げた。月への着陸はしなかったものの、軌道上からセンサーで月面に氷が存在する決定的な証拠を見つけた。
月探査機が着陸に成功すればインドの宇宙計画にとって画期的な出来事となる。インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は2022年までに有人宇宙船を打ち上げると表明しており、国の威信が懸かっている。
さらにインドは火星に探査機を送る意向も持っている。2014年には火星の軌道に衛星を乗せた世界で4番目の国になった。(c)AFP/Arun SANKAR
https://www.afpbb.com/articles/-/3235178