https://jp.wsj.com/articles/SB12268957198964914247204585585322066491704
ジュリアーニ氏と司法長官の不仲、弾劾防衛の妨げ
By Rebecca Ballhaus, Sadie Gurman, Andrew Restuccia and Michael C. Bender
2019 年 10 月 2 日 09:27 JST 更新
【ワシントン】ウィリアム・バー米司法長官は4月、ドナルド・トランプ大統領に電話をかけ、ある問いを投げかけた。「ルディ・ジュリアーニは一体、何をやっているのか」
トランプ氏は当時、ロシア疑惑捜査に関するロバート・モラー元特別検察官の報告書の公表後、ちょうど刑事訴追を免れたところだった。だがジュリアーニ氏はテレビ出演し、バー氏の旧友である元ホワイトハウス法律顧問のドン・マクガーン氏を攻撃していた。マクガーン氏は、トランプ氏によるモラー氏の解任模索など、報告書で言及されていた重要な事例の一部について捜査官に証言していた人物だ。
関係者によるとバー氏は、トランプ氏の個人弁護士がなぜ、モラー氏捜査における勝利を宣言して前に進むのではなく、恥をさらしているのか知りたがっていた。バー氏は要するに、ジュリアーニ氏の愚行を止めさせるようトランプ氏に求めていたのだ。
その5カ月後、今度は下院民主党による弾劾調査の開始という状況に直面する中で、トランプ氏に仕える有力弁護士2人が再び、一枚岩になりきれないでいる。ホワイトハウスは目下、政権存続に向けた司法と広報の戦略構築に取り組んでいるが、かつて司法長官の座を狙っていたジュリアーニ氏と現在の司法長官バー氏、そしてトランプ氏3人の人間関係が、それを難しくしている。
トランプ氏はタイプが全く異なる2人の法律専門家から助言を受けている。ジュリアーニ氏は朝から晩までメディアに出演して好戦的な姿勢を見せており、大げさな物言いをしがちだ。一方で、バー氏は慎重な言動ながらも、トランプ氏に過度に近いとの批判を受けている。トランプ氏の個人弁護士であるジュリアーニ氏の仕事は大統領本人を守ることだ。一方でバー氏は司法長官として、司法省と大統領制そのものを守る責務がある。
しかしながら、トランプ氏は時に、この2人をほぼ同等に扱う。ジョー・バイデン氏に関する調査をウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に働きかけた7月の電話会談では、ジュリアーニ、バー両氏に電話をかけさせてウクライナ側と協議するよう指示すると発言。両氏の役割に明確な線引きはしなかった。
「トランプ氏は大統領就任以前、顧客として弁護士に指示を出し、弁護士が自身の要求実現に最善を尽くすといった状況に慣れていた」。元政権高官はこう語る。「政府の動きはそれとは少し異なる。トランプ氏はこれを知らなかったので不満を感じていた。トランプ氏が果たして全面的にこれを受け入れる時が来るのかは分からない」
関係筋によると、バー氏はウクライナ大統領との電話会談の数週間後、トランプ氏がジュリアーニ氏と自身を同一に扱ったことを知り、驚くとともに腹を立てていた。司法省は、トランプ氏がバー氏に対し、ウクライナと連絡を取るよう指示したことはないと説明している。
米下院の3委員会は9月30日、バイデン氏を調査するようウクライナに圧力をかけたとされる問題で、ジュリアーニ氏に召喚状を出し、書類の提出を求めた。ジュリアーニ氏は召喚状の要求に従うのかとの質問に答えていない。
トランプ、ゼレンスキー両氏による電話会談の内部告発に絡み、バー氏はいかなる司法決定にも関与すべきではなかったとの指摘が一部で上がっている。
(リンク先に続きあり)
バー氏(左)とトランプ氏は、モラー氏のロシア疑惑捜査が大詰めを迎える頃から関係を深めた PHOTO: CHIP SOMODEVILLA/GETTY IMAGES
https://images.wsj.net/im-112202?width=620&size=1.5
ジュリアーニ氏と司法長官の不仲、弾劾防衛の妨げ
By Rebecca Ballhaus, Sadie Gurman, Andrew Restuccia and Michael C. Bender
2019 年 10 月 2 日 09:27 JST 更新
【ワシントン】ウィリアム・バー米司法長官は4月、ドナルド・トランプ大統領に電話をかけ、ある問いを投げかけた。「ルディ・ジュリアーニは一体、何をやっているのか」
トランプ氏は当時、ロシア疑惑捜査に関するロバート・モラー元特別検察官の報告書の公表後、ちょうど刑事訴追を免れたところだった。だがジュリアーニ氏はテレビ出演し、バー氏の旧友である元ホワイトハウス法律顧問のドン・マクガーン氏を攻撃していた。マクガーン氏は、トランプ氏によるモラー氏の解任模索など、報告書で言及されていた重要な事例の一部について捜査官に証言していた人物だ。
関係者によるとバー氏は、トランプ氏の個人弁護士がなぜ、モラー氏捜査における勝利を宣言して前に進むのではなく、恥をさらしているのか知りたがっていた。バー氏は要するに、ジュリアーニ氏の愚行を止めさせるようトランプ氏に求めていたのだ。
その5カ月後、今度は下院民主党による弾劾調査の開始という状況に直面する中で、トランプ氏に仕える有力弁護士2人が再び、一枚岩になりきれないでいる。ホワイトハウスは目下、政権存続に向けた司法と広報の戦略構築に取り組んでいるが、かつて司法長官の座を狙っていたジュリアーニ氏と現在の司法長官バー氏、そしてトランプ氏3人の人間関係が、それを難しくしている。
トランプ氏はタイプが全く異なる2人の法律専門家から助言を受けている。ジュリアーニ氏は朝から晩までメディアに出演して好戦的な姿勢を見せており、大げさな物言いをしがちだ。一方で、バー氏は慎重な言動ながらも、トランプ氏に過度に近いとの批判を受けている。トランプ氏の個人弁護士であるジュリアーニ氏の仕事は大統領本人を守ることだ。一方でバー氏は司法長官として、司法省と大統領制そのものを守る責務がある。
しかしながら、トランプ氏は時に、この2人をほぼ同等に扱う。ジョー・バイデン氏に関する調査をウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に働きかけた7月の電話会談では、ジュリアーニ、バー両氏に電話をかけさせてウクライナ側と協議するよう指示すると発言。両氏の役割に明確な線引きはしなかった。
「トランプ氏は大統領就任以前、顧客として弁護士に指示を出し、弁護士が自身の要求実現に最善を尽くすといった状況に慣れていた」。元政権高官はこう語る。「政府の動きはそれとは少し異なる。トランプ氏はこれを知らなかったので不満を感じていた。トランプ氏が果たして全面的にこれを受け入れる時が来るのかは分からない」
関係筋によると、バー氏はウクライナ大統領との電話会談の数週間後、トランプ氏がジュリアーニ氏と自身を同一に扱ったことを知り、驚くとともに腹を立てていた。司法省は、トランプ氏がバー氏に対し、ウクライナと連絡を取るよう指示したことはないと説明している。
米下院の3委員会は9月30日、バイデン氏を調査するようウクライナに圧力をかけたとされる問題で、ジュリアーニ氏に召喚状を出し、書類の提出を求めた。ジュリアーニ氏は召喚状の要求に従うのかとの質問に答えていない。
トランプ、ゼレンスキー両氏による電話会談の内部告発に絡み、バー氏はいかなる司法決定にも関与すべきではなかったとの指摘が一部で上がっている。
(リンク先に続きあり)
バー氏(左)とトランプ氏は、モラー氏のロシア疑惑捜査が大詰めを迎える頃から関係を深めた PHOTO: CHIP SOMODEVILLA/GETTY IMAGES
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