https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-50862627
米上院の弾劾裁判はどういう仕組み トランプ氏に弾劾決議
2019年12月20日
米下院本会議の弾劾決議可決を受けて、ドナルド・トランプ大統領に対する弾劾手続きは、上院へと舞台を移すことになった。そこではどういう顔ぶれが中心となり、どういう展開が予想されるのか。
個人的利益のために来年の大統領選に外国政府の介入を招いたとして権力乱用があったと、野党・民主党が多数を占める下院に認定され、かつその権力乱用についての下院調査を妨害したとして議会妨害についても弾劾訴追されたトランプ氏を、与党・共和党が多数占める上院はどう裁くのか。
トランプ氏は自分は何も問題になる行動はしていないと反論し、弾劾調査を「やらせ」の「魔女狩り」だと罵倒している。18日の下院本会議で次々に弾劾に反対して発言した共和党の下院議員たちも、口々に弾劾は「トランプ外しの結論ありき」の民主党による「やらせ」の「いかさま」だと非難した。
なぜ弾劾裁判に至ったのか
合衆国憲法第2条第4節は、「大統領並びに副大統領、文官は国家反逆罪をはじめ収賄、重犯罪や軽罪により弾劾訴追され有罪判決が下れば、解任される」と規定している。
憲法の第1条第2節第5項は、下院が「弾劾の権限を専有する」とのみ規定している。つまり、下院が弾劾の罪状について大陪審の役割を果たし、調査・起訴する。
これを受けて下院は18日、権力乱用と議会妨害の2項目について大統領を弾劾訴追した。
下院民主党による弾劾調査は、情報機関の匿名告発者が今年9月に、トランプ氏とウクライナ大統領との電話会談に問題があったと議会に報告したことを機に始まった。
ホワイトハウスが公表した通話記録によると、トランプ氏は7月25日にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との電話で、来年の大統領選で対立候補になるかもしれない民主党のジョー・バイデン前副大統領とその息子について捜査するよう働きかけていた。
民主党が進めた調査で複数の関係者が証言したところによると、トランプ氏は政敵に対する捜査要求と引き換えに、すでに米議会が承認していたウクライナへの軍事援助4億ドルの凍結解除を提示したほか、ホワイトハウスでの首脳会談の実現を提示したとされている。下院本会議をこれを権力乱用と認めて、大統領を弾劾訴追した。
下院民主党が今年9月に、トランプ氏がウクライナ大統領に何を働きかけたのか調査を開始すると、トランプ氏はホワイトハウス関係者の証言を次々と阻止した。下院本会議はこれを、議会妨害と認めて、大統領を弾劾訴追した。
上院の弾劾権限とは
(リンク先に続きあり)
民主党のチャック・シューマー上院院内総務(左)と、共和党のミッチ・マコネル上院院内総務(左)が、弾劾裁判の中心的役割を果たす
米上院の弾劾裁判はどういう仕組み トランプ氏に弾劾決議
2019年12月20日
米下院本会議の弾劾決議可決を受けて、ドナルド・トランプ大統領に対する弾劾手続きは、上院へと舞台を移すことになった。そこではどういう顔ぶれが中心となり、どういう展開が予想されるのか。
個人的利益のために来年の大統領選に外国政府の介入を招いたとして権力乱用があったと、野党・民主党が多数を占める下院に認定され、かつその権力乱用についての下院調査を妨害したとして議会妨害についても弾劾訴追されたトランプ氏を、与党・共和党が多数占める上院はどう裁くのか。
トランプ氏は自分は何も問題になる行動はしていないと反論し、弾劾調査を「やらせ」の「魔女狩り」だと罵倒している。18日の下院本会議で次々に弾劾に反対して発言した共和党の下院議員たちも、口々に弾劾は「トランプ外しの結論ありき」の民主党による「やらせ」の「いかさま」だと非難した。
なぜ弾劾裁判に至ったのか
合衆国憲法第2条第4節は、「大統領並びに副大統領、文官は国家反逆罪をはじめ収賄、重犯罪や軽罪により弾劾訴追され有罪判決が下れば、解任される」と規定している。
憲法の第1条第2節第5項は、下院が「弾劾の権限を専有する」とのみ規定している。つまり、下院が弾劾の罪状について大陪審の役割を果たし、調査・起訴する。
これを受けて下院は18日、権力乱用と議会妨害の2項目について大統領を弾劾訴追した。
下院民主党による弾劾調査は、情報機関の匿名告発者が今年9月に、トランプ氏とウクライナ大統領との電話会談に問題があったと議会に報告したことを機に始まった。
ホワイトハウスが公表した通話記録によると、トランプ氏は7月25日にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との電話で、来年の大統領選で対立候補になるかもしれない民主党のジョー・バイデン前副大統領とその息子について捜査するよう働きかけていた。
民主党が進めた調査で複数の関係者が証言したところによると、トランプ氏は政敵に対する捜査要求と引き換えに、すでに米議会が承認していたウクライナへの軍事援助4億ドルの凍結解除を提示したほか、ホワイトハウスでの首脳会談の実現を提示したとされている。下院本会議をこれを権力乱用と認めて、大統領を弾劾訴追した。
下院民主党が今年9月に、トランプ氏がウクライナ大統領に何を働きかけたのか調査を開始すると、トランプ氏はホワイトハウス関係者の証言を次々と阻止した。下院本会議はこれを、議会妨害と認めて、大統領を弾劾訴追した。
上院の弾劾権限とは
(リンク先に続きあり)
民主党のチャック・シューマー上院院内総務(左)と、共和党のミッチ・マコネル上院院内総務(左)が、弾劾裁判の中心的役割を果たす