【AFP=時事】ホンジュラスの首都テグシガルパから約200キロ離れた同国北部の港町テラ(Tela)にある刑務所で、収容者同士のけんかをきっかけに衝突が発生し、少なくとも収容者18人が死亡、16人が負傷した。当局が21日、発表した。
.
ホンジュラスの国家矯正局によると、17人が刑務所で、1人が搬送先の病院で死亡した。現地メディアは、ギャングの抗争だったと伝えている。詳しい原因は分かっていない。
.
収容者の中には銃を持っていたものもいたため、当局者は被害に遭わないよう警戒しつつ現場に入った。治安部隊は、収容者たちから複数の拳銃と銃弾を押収した。
.
最近刑務所で殺人が相次いだことを受け、フアン・オルランド・エルナンデス(Juan Orlando Hernandez)大統領は17日、国内27か所の刑務所を軍と警察が完全に管理下に置くよう命じていたが、テラの刑務所は21日の時点で完全には軍の管理下に置かれていなかった。
.
■相次ぐ刑務所での殺人
14日には首都テグシガルパから東に約40キロ離れたラトルバ(La Tolva)にある警備が厳重な刑務所で、犯罪組織「マラ・サルバトルチャ(Mara Salvatrucha、MS-13)」の構成員5人が別の収容者から殺害された。
.
その前日には、同国西部サンタバルバラ(Santa Barbara)にある同国の代表的な高警備刑務所であるエルポゾ(El Pozo)刑務所のペドロ・イデルフォンソ・アルマス(Pedro Idelfonso Armas)所長(52)が同国南部で銃撃されて死亡していた。
.
アルマス所長は、10月26日に麻薬組織の中心人物、マグダレノ・メサ(Magdaleno Meza)被告が別の収容者らによって殺害された現場にいたことについて調査を受けており、治安省はアルマス所長を停職処分にしていた。
.
ソーシャルメディアで拡散された動画には、アルマス所長がメサ被告と話していたところ、施錠されていたゲートを看守が開けて収容者らがなだれ込み、メサ被告を刺し、銃で撃って殺害した場面が映っていた。
■大統領の弟、米国で有罪に
メサ被告の供述とノートから、メサ被告が、エルナンデス大統領の弟、フアン・アントニオ・トニー・エルナンデス(Juan Antonio "Tony" Hernandez)被告と関係があることが分かっている。
.
メサ被告の会計記録は米ニューヨークで行われているエルナンデス被告の裁判で証拠として提出され、エルナンデス被告は薬物取引に関係する4件の罪状で有罪となった。量刑は来年1月に言い渡されるが、終身刑になる可能性もある。
.
エルナンデス大統領は、この判決は「自分は暗殺者だと自白した人間の証言」に基づいた不当なものだと非難している。
.
さらに今月9日には首都テグシガルパから北西に位置する町で、メサ被告を弁護した弁護士と麻薬カルテル「バジェ・バジェ(Valle Valle)」のメンバーらが殺害された。この事件は現在も捜査が続いている。
.
■貧困と犯罪に苦しむホンジュラス
ホンジュラスは麻薬取引、ギャング、貧困、汚職に苦しんでいる。2018年の殺人発生率は人口10万人当たり41.2件と、紛争地域以外では世界で最も多い国の一つだ。
.
この状況と闘うため、エルナンデス大統領は新税で費用をまかなう軍警察と、ギャング組織の構成員を収容する特別な刑務所を新設した。
.
ホンジュラスの極めて高い犯罪発生率は、国民が移民として米国に向かう大きな理由になっている。特に未成年者はギャング組織への加入を強制されることを恐れていると話している。
.
約2万1000人が収容されている同国の刑務所は、極めて過密な状態となっている。【翻訳編集】 AFPBB News
12/22(日) 12:48配信 時事
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191222-00000013-jij_afp-int&p=1
.
ホンジュラスの国家矯正局によると、17人が刑務所で、1人が搬送先の病院で死亡した。現地メディアは、ギャングの抗争だったと伝えている。詳しい原因は分かっていない。
.
収容者の中には銃を持っていたものもいたため、当局者は被害に遭わないよう警戒しつつ現場に入った。治安部隊は、収容者たちから複数の拳銃と銃弾を押収した。
.
最近刑務所で殺人が相次いだことを受け、フアン・オルランド・エルナンデス(Juan Orlando Hernandez)大統領は17日、国内27か所の刑務所を軍と警察が完全に管理下に置くよう命じていたが、テラの刑務所は21日の時点で完全には軍の管理下に置かれていなかった。
.
■相次ぐ刑務所での殺人
14日には首都テグシガルパから東に約40キロ離れたラトルバ(La Tolva)にある警備が厳重な刑務所で、犯罪組織「マラ・サルバトルチャ(Mara Salvatrucha、MS-13)」の構成員5人が別の収容者から殺害された。
.
その前日には、同国西部サンタバルバラ(Santa Barbara)にある同国の代表的な高警備刑務所であるエルポゾ(El Pozo)刑務所のペドロ・イデルフォンソ・アルマス(Pedro Idelfonso Armas)所長(52)が同国南部で銃撃されて死亡していた。
.
アルマス所長は、10月26日に麻薬組織の中心人物、マグダレノ・メサ(Magdaleno Meza)被告が別の収容者らによって殺害された現場にいたことについて調査を受けており、治安省はアルマス所長を停職処分にしていた。
.
ソーシャルメディアで拡散された動画には、アルマス所長がメサ被告と話していたところ、施錠されていたゲートを看守が開けて収容者らがなだれ込み、メサ被告を刺し、銃で撃って殺害した場面が映っていた。
■大統領の弟、米国で有罪に
メサ被告の供述とノートから、メサ被告が、エルナンデス大統領の弟、フアン・アントニオ・トニー・エルナンデス(Juan Antonio "Tony" Hernandez)被告と関係があることが分かっている。
.
メサ被告の会計記録は米ニューヨークで行われているエルナンデス被告の裁判で証拠として提出され、エルナンデス被告は薬物取引に関係する4件の罪状で有罪となった。量刑は来年1月に言い渡されるが、終身刑になる可能性もある。
.
エルナンデス大統領は、この判決は「自分は暗殺者だと自白した人間の証言」に基づいた不当なものだと非難している。
.
さらに今月9日には首都テグシガルパから北西に位置する町で、メサ被告を弁護した弁護士と麻薬カルテル「バジェ・バジェ(Valle Valle)」のメンバーらが殺害された。この事件は現在も捜査が続いている。
.
■貧困と犯罪に苦しむホンジュラス
ホンジュラスは麻薬取引、ギャング、貧困、汚職に苦しんでいる。2018年の殺人発生率は人口10万人当たり41.2件と、紛争地域以外では世界で最も多い国の一つだ。
.
この状況と闘うため、エルナンデス大統領は新税で費用をまかなう軍警察と、ギャング組織の構成員を収容する特別な刑務所を新設した。
.
ホンジュラスの極めて高い犯罪発生率は、国民が移民として米国に向かう大きな理由になっている。特に未成年者はギャング組織への加入を強制されることを恐れていると話している。
.
約2万1000人が収容されている同国の刑務所は、極めて過密な状態となっている。【翻訳編集】 AFPBB News
12/22(日) 12:48配信 時事
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191222-00000013-jij_afp-int&p=1