※夜の政治
暑さ対策は五輪の挑戦の一つ
――2019年はテスト大会を通して、五輪の課題が見えました。
暑さ対策は、東京五輪の挑戦の一つだ。パラリンピックのマラソン競技は、当初の予定どおり東京のコースで実施される。街路樹を刈り込まず日陰を作り、給水所の設置などを徹底するほか、医師や看護師で構成される救急医療の専門チーム「DMAT(災害派遣医療チーム)」を会場付近に待機させる。ハイテクからアナログまで合わせ技の対策を講じていく。
――大会期間中の交通混雑も懸念されています。
経済活動を停滞させないことが重要だ。企業に対し、テレワークや時差出勤を組み合わせた柔軟な働き方を促している。また、交通渋滞には、昼と夜で高速道路の利用料金を変え、大会時の混雑予測情報を提供するなど、交通需要をマネジメントすることで対応する。
これらを「スムーズビズ」と名付け、五輪後に残る新しいワークスタイルとしてもレガシーにしていきたい。
――都市型五輪では、2012年のロンドン大会が成功を収めました。
ロンドン五輪は地域の活性化をもたらし、テレワークで交通混雑も解消した。五輪後も観光客が増え続けるなど、さまざまな好影響をもたらしている。
東京五輪もハコモノ投資で終わらせず、後利用まで考えた施設設計などを通して、持続可能なイベントにしたい。ロンドンではパラ競技にも多くの注目が集まった。東京も五輪を契機に、多様な価値を受け入れる成熟した都市を目指す。
――五輪後を見据えた長期計画を策定していますね。
20年後の2040年に向けた計画で、東京の強みや弱みをあらゆる観点から分析した。人口の高齢化は東京でも避けられない問題だ。その中で、「3つのC」に力を入れる。
1つ目はコミュニティ。2019年は自然災害の多い年だった。地域でのつながりが防災に果たす役割は大きい。2つ目はチルドレン。家族で子育てをしやすく、女性も働きやすい環境を整え、合計特殊出生率を2.07まで引き上げる。高い目標を掲げ、人口減少のピークになる前に手を打つ必要がある。
3つ目は長寿。人生100年時代を豊かに生きられる都市づくりをしていく。
東京から世界を変える新しい芽を作る
――経済活性化のためには何が重要になりますか。
経済発展の新しい芽を作ることだ。東京から世界を変える企業や事業を輩出するため、スタートアップ企業支援を強化している。
具体的には起業のワンストップセンターの設置、新ビジネス発掘のコンテストである「TOKYO STARTUP ?GATEWAY」の開催などだ。実際に、創薬が盛んな日本橋周辺では、創薬ベンチャーを支援するプログラムを都が主催したことで、新たな企業同士の交流が進んでいる。
また国際金融都市としての発展も目指す。海外からのビジネスパーソンが安心して働ける多言語の医療サービスの提供や、インターナショナルスクールの設置にも注力する。五輪のレガシーである5Gの普及により、遠隔での治療や教育も可能になろう。競争力とインフラ整備で世界からの注目度を高めたい。
https://toyokeizai.net/articles/-/321112?page=2
2019/12/30 5:00
暑さ対策は五輪の挑戦の一つ
――2019年はテスト大会を通して、五輪の課題が見えました。
暑さ対策は、東京五輪の挑戦の一つだ。パラリンピックのマラソン競技は、当初の予定どおり東京のコースで実施される。街路樹を刈り込まず日陰を作り、給水所の設置などを徹底するほか、医師や看護師で構成される救急医療の専門チーム「DMAT(災害派遣医療チーム)」を会場付近に待機させる。ハイテクからアナログまで合わせ技の対策を講じていく。
――大会期間中の交通混雑も懸念されています。
経済活動を停滞させないことが重要だ。企業に対し、テレワークや時差出勤を組み合わせた柔軟な働き方を促している。また、交通渋滞には、昼と夜で高速道路の利用料金を変え、大会時の混雑予測情報を提供するなど、交通需要をマネジメントすることで対応する。
これらを「スムーズビズ」と名付け、五輪後に残る新しいワークスタイルとしてもレガシーにしていきたい。
――都市型五輪では、2012年のロンドン大会が成功を収めました。
ロンドン五輪は地域の活性化をもたらし、テレワークで交通混雑も解消した。五輪後も観光客が増え続けるなど、さまざまな好影響をもたらしている。
東京五輪もハコモノ投資で終わらせず、後利用まで考えた施設設計などを通して、持続可能なイベントにしたい。ロンドンではパラ競技にも多くの注目が集まった。東京も五輪を契機に、多様な価値を受け入れる成熟した都市を目指す。
――五輪後を見据えた長期計画を策定していますね。
20年後の2040年に向けた計画で、東京の強みや弱みをあらゆる観点から分析した。人口の高齢化は東京でも避けられない問題だ。その中で、「3つのC」に力を入れる。
1つ目はコミュニティ。2019年は自然災害の多い年だった。地域でのつながりが防災に果たす役割は大きい。2つ目はチルドレン。家族で子育てをしやすく、女性も働きやすい環境を整え、合計特殊出生率を2.07まで引き上げる。高い目標を掲げ、人口減少のピークになる前に手を打つ必要がある。
3つ目は長寿。人生100年時代を豊かに生きられる都市づくりをしていく。
東京から世界を変える新しい芽を作る
――経済活性化のためには何が重要になりますか。
経済発展の新しい芽を作ることだ。東京から世界を変える企業や事業を輩出するため、スタートアップ企業支援を強化している。
具体的には起業のワンストップセンターの設置、新ビジネス発掘のコンテストである「TOKYO STARTUP ?GATEWAY」の開催などだ。実際に、創薬が盛んな日本橋周辺では、創薬ベンチャーを支援するプログラムを都が主催したことで、新たな企業同士の交流が進んでいる。
また国際金融都市としての発展も目指す。海外からのビジネスパーソンが安心して働ける多言語の医療サービスの提供や、インターナショナルスクールの設置にも注力する。五輪のレガシーである5Gの普及により、遠隔での治療や教育も可能になろう。競争力とインフラ整備で世界からの注目度を高めたい。
https://toyokeizai.net/articles/-/321112?page=2
2019/12/30 5:00