https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-50969818
ゴーン被告はどうやって日本から逃亡したのか 飛び交う諸説
2020/01/02
かつては自動車産業界の大物だった男は、日本で英雄的な立場についた後、同国内で最も有名な刑事被告人の1人になった。そして今、国外逃亡中の身となっている。そのカルロス・ゴーン被告は、いったいどうやって日本を脱出したのか。本当に楽器ケースに身を潜めたのか。特殊な専門チームが集められたのか。民間警備会社も関与していたのか。果たして……?
億万長者で日産自動車の元会長で、金融商品取引法違反などの罪で起訴され保釈中だったゴーン被告(65)は、今年4月にも開かれる初公判に向けて、数カ月かけて準備を進めていた。少なくとも、日本当局はそうだと信じ込んでいた。
ゴーン被告は昨年3月、保釈保証金10億円を納付し、逮捕から108目に一度保釈されたものの、昨年4月に新たに会社法違反(特別背任)の疑いで再逮捕され、再び勾留された。そして同月下旬、保釈保証金5億円を納付し保釈された。
保釈の条件には、ゴーン被告の住宅の入り口を、カメラで24時間監視することが含まれる。また、使用できるパソコンは弁護士事務所の1台に限定され、携帯電話も1機に制限されるなど、通信面で厳しい制限も課された。海外への渡航も禁止されていた。
そうした中で中東レバノンへ逃れたしたゴーン被告は、日本に赤恥をかかせ、自分の弁護団を困惑させることとなった。昨年の大晦日に発表した声明でゴーン被告は、正義から逃げたのではなく「不公平と政治的迫害から逃げた」と説明した。
被告の主任弁護人を務める弘中惇一郎弁護士は31日、レバノン渡航の知らせを受けて間もなく、「報道されている以上のことは知らず、寝耳に水という状況でとてもびっくりしている。今後、情報が入れば裁判所に提供していきたい」と記者団に述べた。
そもそもゴーン被告はどうやって日本から脱出したのか。これが差し迫った疑問だ。
楽器ケースに隠れ出国?
レバノンのテレビ局MTVは、ゴーン被告は、楽団になりすました準軍事的組織の協力を得て、保釈時に認められていた都内の住居を後にしたと報じた。
この報道によると、この楽団はゴーン被告の自宅で演奏後、ほどなくして楽器ケースに隠れたゴーン被告を地方空港へと運んだという。これが本当であれば、身長165センチとされるゴーン被告にとっても窮屈な状態だった可能性がある。
地方空港からプライベートジェットに乗って日本を出国したゴーン被告は、トルコを経由してレバノン入りしたとMTVは報じている。この説を裏付ける事実の提示はなかったが、当然この話はソーシャルメディア上で直ちに広まった。
一方でゴーン被告の妻キャロル氏(54)はロイター通信に対し、楽器ケースに隠れたという話は「フィクション」だと述べた。キャロル氏は、夫がどのように日本から逃れたのかについて詳細を明かすことは拒否した。
ゴーン被告がスパイ映画さながらの変装をするのは、あながちあり得ない話ではない。昨年3月の保釈時には、報道陣を撒くためにマスクをつけ、作業員姿に変装して東京拘置所を後にした。しかしすぐにゴーン被告だとばれ、メディアで笑いものにされた。保釈から数日後、弁護団は「未熟な計画」だったとして謝罪した。
ゴーン被告の役割
複数報道によると、東京からベイルートまでのゴーン被告の逃亡劇は、数週間から数カ月にわたって綿密に計画されていたとされる。
(リンク先に続きあり)
ゴーン被告はどうやって日本から逃亡したのか 飛び交う諸説
2020/01/02
かつては自動車産業界の大物だった男は、日本で英雄的な立場についた後、同国内で最も有名な刑事被告人の1人になった。そして今、国外逃亡中の身となっている。そのカルロス・ゴーン被告は、いったいどうやって日本を脱出したのか。本当に楽器ケースに身を潜めたのか。特殊な専門チームが集められたのか。民間警備会社も関与していたのか。果たして……?
億万長者で日産自動車の元会長で、金融商品取引法違反などの罪で起訴され保釈中だったゴーン被告(65)は、今年4月にも開かれる初公判に向けて、数カ月かけて準備を進めていた。少なくとも、日本当局はそうだと信じ込んでいた。
ゴーン被告は昨年3月、保釈保証金10億円を納付し、逮捕から108目に一度保釈されたものの、昨年4月に新たに会社法違反(特別背任)の疑いで再逮捕され、再び勾留された。そして同月下旬、保釈保証金5億円を納付し保釈された。
保釈の条件には、ゴーン被告の住宅の入り口を、カメラで24時間監視することが含まれる。また、使用できるパソコンは弁護士事務所の1台に限定され、携帯電話も1機に制限されるなど、通信面で厳しい制限も課された。海外への渡航も禁止されていた。
そうした中で中東レバノンへ逃れたしたゴーン被告は、日本に赤恥をかかせ、自分の弁護団を困惑させることとなった。昨年の大晦日に発表した声明でゴーン被告は、正義から逃げたのではなく「不公平と政治的迫害から逃げた」と説明した。
被告の主任弁護人を務める弘中惇一郎弁護士は31日、レバノン渡航の知らせを受けて間もなく、「報道されている以上のことは知らず、寝耳に水という状況でとてもびっくりしている。今後、情報が入れば裁判所に提供していきたい」と記者団に述べた。
そもそもゴーン被告はどうやって日本から脱出したのか。これが差し迫った疑問だ。
楽器ケースに隠れ出国?
レバノンのテレビ局MTVは、ゴーン被告は、楽団になりすました準軍事的組織の協力を得て、保釈時に認められていた都内の住居を後にしたと報じた。
この報道によると、この楽団はゴーン被告の自宅で演奏後、ほどなくして楽器ケースに隠れたゴーン被告を地方空港へと運んだという。これが本当であれば、身長165センチとされるゴーン被告にとっても窮屈な状態だった可能性がある。
地方空港からプライベートジェットに乗って日本を出国したゴーン被告は、トルコを経由してレバノン入りしたとMTVは報じている。この説を裏付ける事実の提示はなかったが、当然この話はソーシャルメディア上で直ちに広まった。
一方でゴーン被告の妻キャロル氏(54)はロイター通信に対し、楽器ケースに隠れたという話は「フィクション」だと述べた。キャロル氏は、夫がどのように日本から逃れたのかについて詳細を明かすことは拒否した。
ゴーン被告がスパイ映画さながらの変装をするのは、あながちあり得ない話ではない。昨年3月の保釈時には、報道陣を撒くためにマスクをつけ、作業員姿に変装して東京拘置所を後にした。しかしすぐにゴーン被告だとばれ、メディアで笑いものにされた。保釈から数日後、弁護団は「未熟な計画」だったとして謝罪した。
ゴーン被告の役割
複数報道によると、東京からベイルートまでのゴーン被告の逃亡劇は、数週間から数カ月にわたって綿密に計画されていたとされる。
(リンク先に続きあり)