治療のために放射線の照射を受けている人や、宇宙線にさらされている宇宙飛行士の中には、目を閉じているのに光が見えるという体験をしたことがある人もいるとのこと。
アメリカ・ダートマス大学の生物医学エンジニアであるアーウィン・テンドラー氏らの研究チームにより、「放射線治療中の患者が光を見る現象の正体」が世界で初めて写真に収められました。
テンドラー氏が撮影した実際の写真が以下。
放射線を照射された人の目が光っているのは、核燃料が入ったプールが青く光って見えるチェレンコフ放射と同じ原理です。
この光の正体については、以前からチェレンコフ光ではないかとの仮説が提唱されてきましたが、これまで実証されたことはありませんでした。
今回、研究チームはDoseOpticsという企業が開発した相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサー内蔵カメラ「C-Dose」を使用。
C-Doseは、放射線治療が適切に行われていることを確認するために開発された医療用のカメラで、本来は目に見えない放射線の様子を視覚的に捉えることが可能です。
研究チームはまず、体組織の構造が人間と似ているとされるブタの眼球を使用して、放射線を照射するテストを実施。
観測された光のスペクトル分析から、実際にブタの眼球からチェレンコフ光が発せられることを確認しました。
研究チームは次に、眼球を収める眼窩がんか付近にある髄膜腫の治療を受けている女性患者の協力を得て、放射線治療中の様子をC-Doseで撮影させてもらいました。
その時に撮影されたのが、冒頭の写真です。放射線は、頭頂から112.5mmの高さにある患部に照射されました。
放射線治療中の患者は、「まぶたを閉じても開いても青い光、しま模様、火花、点のような光が見える」との感想を漏らしていたとのことです。
テンドラー氏は今回の実験結果について「放射線治療中の眼球からの発光を捉えて、放射線がどのように眼球に入射しているのかを直接判断することが可能になったため、より正確な放射線治療の実施や、患者の不安の緩和が期待できます」と述べました。
研究チームは今後、観測されたチェレンコフ光と照射した放射線量の関係を調査し、眼球に照射された放射線量の測定や予測が可能になる手法を開発する考えだとのことです。
https://gigazine.net/news/20200109-radiation-therapy-eye-cherenkov-light/
アメリカ・ダートマス大学の生物医学エンジニアであるアーウィン・テンドラー氏らの研究チームにより、「放射線治療中の患者が光を見る現象の正体」が世界で初めて写真に収められました。
テンドラー氏が撮影した実際の写真が以下。
放射線を照射された人の目が光っているのは、核燃料が入ったプールが青く光って見えるチェレンコフ放射と同じ原理です。
この光の正体については、以前からチェレンコフ光ではないかとの仮説が提唱されてきましたが、これまで実証されたことはありませんでした。
今回、研究チームはDoseOpticsという企業が開発した相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサー内蔵カメラ「C-Dose」を使用。
C-Doseは、放射線治療が適切に行われていることを確認するために開発された医療用のカメラで、本来は目に見えない放射線の様子を視覚的に捉えることが可能です。
研究チームはまず、体組織の構造が人間と似ているとされるブタの眼球を使用して、放射線を照射するテストを実施。
観測された光のスペクトル分析から、実際にブタの眼球からチェレンコフ光が発せられることを確認しました。
研究チームは次に、眼球を収める眼窩がんか付近にある髄膜腫の治療を受けている女性患者の協力を得て、放射線治療中の様子をC-Doseで撮影させてもらいました。
その時に撮影されたのが、冒頭の写真です。放射線は、頭頂から112.5mmの高さにある患部に照射されました。
放射線治療中の患者は、「まぶたを閉じても開いても青い光、しま模様、火花、点のような光が見える」との感想を漏らしていたとのことです。
テンドラー氏は今回の実験結果について「放射線治療中の眼球からの発光を捉えて、放射線がどのように眼球に入射しているのかを直接判断することが可能になったため、より正確な放射線治療の実施や、患者の不安の緩和が期待できます」と述べました。
研究チームは今後、観測されたチェレンコフ光と照射した放射線量の関係を調査し、眼球に照射された放射線量の測定や予測が可能になる手法を開発する考えだとのことです。
https://gigazine.net/news/20200109-radiation-therapy-eye-cherenkov-light/