きっかけは、18年6月、「セクハラ被害をデッチ上げた」として解雇された元法務部長の女性が、
東京地裁に不当解雇などで会社側を提訴、厚生労働省記者クラブで会見を開いたことだった。
忘年会で、藤井隆太社長が女性社員にセクハラ発言を繰り返し、
その行為を見とがめた元法務部長の姉で執行役員の福居篤子さんが、
担当職責の妹に伝え、それを問題視した妹が人事課長と一緒にヒヤリングを実施した。
再発防止策などを講じようとしたところ、巻き返しに出た藤井社長が、被害女性と話をし、
「セクハラはなかった」という証言を取って逆襲。12月17日、元法務部長に自宅待機を命じたうえ、
19年3月28日付けで解雇した。
妹が、自宅待機を命じられている間の18年12月28日、千葉工場への異動を命じられる。
それまでの職責は、企画開発部、国際部、医薬部、安全管理部、
マーケティング部を束ねる執行役員開発本部長だった。
しかし、19年1月1日付けで開発部長だけの職責となり、東京・神田の本社から千葉工場勤務となった。
左遷状態にして仕事を奪うだけでは飽き足らず、昨年10月21日には自宅待機を命じた。
さらに12月28日には、「社員は原則として、満55歳到達日の翌日をもって退職とする」という就業規則に則り、
開発部長職を解いた。執行役員はそのままなので、「執行役員ヒラ」である。
1年をかけて行われた降格劇は最終段階を迎えている。次は何らかの理由をつけた解雇だろう。
これが龍角散という著名企業の広報対応、危機管理だとすれば「いかがなものか」と注文をつけるしかない。
そして、そうした企業体質が、功績大であることを業界関係者の誰もが認める福居さんの処遇に繋がっていると、
断言せざるを得ない
2020.1.23
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/69966