https://sorae.info/astronomy/20200204-abell-1758-merge.html 2020-02-04
X線観測衛星「チャンドラ」などの望遠鏡により、4つの銀河団が合体しようとしている様子が捉えられました。それぞれの銀河団は太陽の1兆倍ほどの質量を持っており、合体すると宇宙で最大級の天体になると考えられています。
銀河団は数百から数千個の銀河、高温ガス、そしてダークマターが重力によって集まっている天体で、重力によりひとまとまりで構成された天体としては宇宙で最大のものです。時には2つ、またはそれ以上の数の銀河団が衝突・合体することもあります。
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画像は「Abell 1758」と呼ばれる天体で、地球から約30億光年離れた位置に存在しています。Abell 1758は2つの銀河団のペアがお互いに近づく方向に動いており、 2004年にチャンドラと欧州宇宙機関が運用するX線観測衛星「XMM-Newton」により計4つの銀河団の集まりであることが初めて認識されました。それぞれのペアは銀河団を2つずつ含み、それらも合体しつつあります。北(画像上部)のペアは既に約3〜4億年前に衝突したと考えられています。「衝突」といっても銀河団の中心部がすれ違うようなイメージで、いったん離れていった後に再度もと来た方向に戻ってくるような動きをすると予想されています。いっぽう南(画像下部)のペアも互いに近づいており、最初の衝突の時を迎えようとしています。
この画像の元となった論文では銀河団の衝突に伴う衝撃波などの現象を調べており、北側のペアについてはその痕跡から衝突の速度をおよそ秒速2100キロメートルと見積もっています。