女性がひとりでウェディングドレスを着て写真撮影などを行う「ソロウェディング」というサービスが社会に登場したのは5年ほど前。当初は「寂しすぎる……」「一時のブーム」と懐疑的な声も聞かれたが、色々な形に“進化”し、楽しむ人も増えている。(田中洋史)
友人同士で…試着室で「かわいい」を連発
2年ほど前からソロウェディングの専用サイトを設ける東京都渋谷区の写真スタジオ「aim東京原宿店」。昨年11月下旬、茨城県の医療事務員の女性(30)と都内に住む会社員女性(30)が事前の打ち合わせで来ていた。
「こっちのデザインもステキ!」「全部着たくなっちゃう」
2人は満面の笑みを浮かべてドレスを選び、試着室では互いに「かわいい」を連発していた。
中学時代の同級生で、誘ったのは医療事務員の女性だ。5年ほど前に離婚した。「(元夫とは)急な結婚で写真を撮れなかった。当分再婚する気もないので、30歳の記念に収めておきたかった。でも、ひとりでは勇気がなくて」。一方、会社員女性は「結婚やドレスに思い入れはないけど、ハロウィーンの仮装みたいな感覚で興味があった」と笑う。
店には連日のように問い合わせがあり、これまでに20代から60代まで300人以上が利用した。「女子会のように複数で訪れるケースが増えている。楽しさを共感できるのが魅力のようです」と同店の大橋永(はるか)さん。
息子と一緒に「嫌々ながらも付き合ってくれて感謝」
家族と一緒に楽しむ人もいる。徳島県石井町の「阿部写真館」本店では、吉野川市のシングルマザーの看護師が、スーツ姿の中学1年生の長男(13)とポーズをとっていた。
毎年、「成長の記録を残したい」と長男の誕生日に親子で同店を訪れる。ソロウェディングを受け付けていると聞き、今回は部分的にピンク色が入ったドレスを選んだ。
元夫との婚礼写真が残っているが、見返すことはない。例年とは違う演出に、長男は緊張気味。「これが今の家族のカタチ。気持ちも若返った。嫌々ながらも付き合ってくれた息子に感謝したい」と、うれしそうだった。
同写真館は大阪などにも支店がある。80代の母親に写真を見せ、「あなたのウェディングドレス姿を見られないと思っていたのに」と喜ばれたという50代女性は「自分へのごほうびのつもりが親孝行にもなった」とほほ笑む。「大切な家族」としてペットと写真に納まる人も少なくない。
思っていたほど周囲の視線は冷たくない
ソロウェディングは、京都市の旅行会社が2014年に宿泊付きの撮影プランを企画して、話題を呼んだ。婚姻件数の減少とともに、式を挙げない人が目立つ中、ブライダル関連業者が新たな商機ととらえて参入する動きが相次いだ。
一方、社会の受け止め方はどうか。女性向け情報サイト「マイナビウーマン」が17年に22〜34歳の男女に行った調査で、「賛成」と答えたのは46%。半数には満たなかったものの、思っていたほど周囲の視線は冷たくない。また、女性の2割が「興味がある」とし、一定のニーズがあることをうかがわせた。
.
「似合ってるよ」と褒められ…前向きに婚活へ
「結婚前に着ると婚期が遅れる」。そんな言い伝えに反して、「結婚への意識を高める」ために着る企画も増えている。
男女の出会い支援イベントなどを紹介するサイトの運営会社「リンクバル」(東京)は一昨年7月、都内の結婚式場で「ウェディングドレス女子会」を開き、公募で集まった20、30代の独身女性6人が花嫁気分を体験した。
参加した千葉県の会社員(28)は「婚活がうまくいかず、一生結婚できないのではと思っていた時だった。ドレス姿の写真を見た家族に『似合ってるよ』と褒められ、前向きな気持ちになれた」と振り返る。イベント後に知り合った人と今春結婚した。
東京都渋谷区のドレス店「ジュビウェディング代官山」は一昨年6月から、好きなドレスを着てスマートフォンで自由に撮影を楽しめる企画「プリンセスタイム」(有料)を定期的に開く。今月からは「幼い時から『お姫様願望』に浸ってもらおう」と子ども向けのドレスもそろえた。
.
全文はソース元で
2/7(金) 12:11配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200207-00010000-yom-bus_all
友人同士で…試着室で「かわいい」を連発
2年ほど前からソロウェディングの専用サイトを設ける東京都渋谷区の写真スタジオ「aim東京原宿店」。昨年11月下旬、茨城県の医療事務員の女性(30)と都内に住む会社員女性(30)が事前の打ち合わせで来ていた。
「こっちのデザインもステキ!」「全部着たくなっちゃう」
2人は満面の笑みを浮かべてドレスを選び、試着室では互いに「かわいい」を連発していた。
中学時代の同級生で、誘ったのは医療事務員の女性だ。5年ほど前に離婚した。「(元夫とは)急な結婚で写真を撮れなかった。当分再婚する気もないので、30歳の記念に収めておきたかった。でも、ひとりでは勇気がなくて」。一方、会社員女性は「結婚やドレスに思い入れはないけど、ハロウィーンの仮装みたいな感覚で興味があった」と笑う。
店には連日のように問い合わせがあり、これまでに20代から60代まで300人以上が利用した。「女子会のように複数で訪れるケースが増えている。楽しさを共感できるのが魅力のようです」と同店の大橋永(はるか)さん。
息子と一緒に「嫌々ながらも付き合ってくれて感謝」
家族と一緒に楽しむ人もいる。徳島県石井町の「阿部写真館」本店では、吉野川市のシングルマザーの看護師が、スーツ姿の中学1年生の長男(13)とポーズをとっていた。
毎年、「成長の記録を残したい」と長男の誕生日に親子で同店を訪れる。ソロウェディングを受け付けていると聞き、今回は部分的にピンク色が入ったドレスを選んだ。
元夫との婚礼写真が残っているが、見返すことはない。例年とは違う演出に、長男は緊張気味。「これが今の家族のカタチ。気持ちも若返った。嫌々ながらも付き合ってくれた息子に感謝したい」と、うれしそうだった。
同写真館は大阪などにも支店がある。80代の母親に写真を見せ、「あなたのウェディングドレス姿を見られないと思っていたのに」と喜ばれたという50代女性は「自分へのごほうびのつもりが親孝行にもなった」とほほ笑む。「大切な家族」としてペットと写真に納まる人も少なくない。
思っていたほど周囲の視線は冷たくない
ソロウェディングは、京都市の旅行会社が2014年に宿泊付きの撮影プランを企画して、話題を呼んだ。婚姻件数の減少とともに、式を挙げない人が目立つ中、ブライダル関連業者が新たな商機ととらえて参入する動きが相次いだ。
一方、社会の受け止め方はどうか。女性向け情報サイト「マイナビウーマン」が17年に22〜34歳の男女に行った調査で、「賛成」と答えたのは46%。半数には満たなかったものの、思っていたほど周囲の視線は冷たくない。また、女性の2割が「興味がある」とし、一定のニーズがあることをうかがわせた。
.
「似合ってるよ」と褒められ…前向きに婚活へ
「結婚前に着ると婚期が遅れる」。そんな言い伝えに反して、「結婚への意識を高める」ために着る企画も増えている。
男女の出会い支援イベントなどを紹介するサイトの運営会社「リンクバル」(東京)は一昨年7月、都内の結婚式場で「ウェディングドレス女子会」を開き、公募で集まった20、30代の独身女性6人が花嫁気分を体験した。
参加した千葉県の会社員(28)は「婚活がうまくいかず、一生結婚できないのではと思っていた時だった。ドレス姿の写真を見た家族に『似合ってるよ』と褒められ、前向きな気持ちになれた」と振り返る。イベント後に知り合った人と今春結婚した。
東京都渋谷区のドレス店「ジュビウェディング代官山」は一昨年6月から、好きなドレスを着てスマートフォンで自由に撮影を楽しめる企画「プリンセスタイム」(有料)を定期的に開く。今月からは「幼い時から『お姫様願望』に浸ってもらおう」と子ども向けのドレスもそろえた。
.
全文はソース元で
2/7(金) 12:11配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200207-00010000-yom-bus_all