2011年の東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質で汚染された指定廃棄物を巡って、環境省は19日、栃木県内の農家で一時保管が続く2993トンのうち、81%に当たる2417トンの放射能濃度が再測定の結果、指定基準の1キロ当たり8000ベクレル以下になったと発表した。結果を受けて今後、市町ごとの暫定集約に向けて市町長会議を開きたいという。
県内には19年12月現在、福島県に次いで全国2番目に多い1万3533トンの指定廃棄物がある。一方で県内の最終処分場建設は行き詰まっており、農家が一時保管する6市町は18年11月、農家の負担軽減のため市町ごとの暫定集約に同意した。
集約場所や必要なスペースを検討するため、同省は19年7〜11月、全123戸146カ所の保管農家で放射能濃度を再測定。那須塩原や那須など5市町60カ所の576トンが8000ベクレルを超えた一方、86カ所2417トンは基準値以下になっていた。最高は那須塩原市の稲わら3・1トンの15万ベクレル、最低は同市の牧草12・8トンの120ベクレル。指定申請前の11年7月〜13年10月の試料採取では8000〜35万ベクレルだった。同省は19日以降、市町を通じて農家にもそれぞれの結果を知らせる。
制度上、8000ベクレル以下になれば指定を解除し普通の廃棄物と同じように処分することが可能になるが、これまでの市町長会議では解除に否定的な意見が出ており、同省は19日の記者説明でも「解除するかは市町の考えを聞きながら」と慎重な姿勢を示した。
同省によると、暫定集約の候補地や選び方については市町と検討中。再測定結果を踏まえて焼却など容積の減らし方についても協議し、暫定集約につなげたいとしている。【林田七恵】
環境省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で
https://mainichi.jp/articles/20200320/k00/00m/040/062000c
県内には19年12月現在、福島県に次いで全国2番目に多い1万3533トンの指定廃棄物がある。一方で県内の最終処分場建設は行き詰まっており、農家が一時保管する6市町は18年11月、農家の負担軽減のため市町ごとの暫定集約に同意した。
集約場所や必要なスペースを検討するため、同省は19年7〜11月、全123戸146カ所の保管農家で放射能濃度を再測定。那須塩原や那須など5市町60カ所の576トンが8000ベクレルを超えた一方、86カ所2417トンは基準値以下になっていた。最高は那須塩原市の稲わら3・1トンの15万ベクレル、最低は同市の牧草12・8トンの120ベクレル。指定申請前の11年7月〜13年10月の試料採取では8000〜35万ベクレルだった。同省は19日以降、市町を通じて農家にもそれぞれの結果を知らせる。
制度上、8000ベクレル以下になれば指定を解除し普通の廃棄物と同じように処分することが可能になるが、これまでの市町長会議では解除に否定的な意見が出ており、同省は19日の記者説明でも「解除するかは市町の考えを聞きながら」と慎重な姿勢を示した。
同省によると、暫定集約の候補地や選び方については市町と検討中。再測定結果を踏まえて焼却など容積の減らし方についても協議し、暫定集約につなげたいとしている。【林田七恵】
環境省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で
https://mainichi.jp/articles/20200320/k00/00m/040/062000c