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新型コロナウイルスの感染者が2万人を超えた米東部ニューヨーク州では、飲食業やサービス業を中心にレイオフ(一時帰休)や解雇の嵐が吹き荒れている。
州の外出制限などを受けて店は軒並み廃業状態に。
特にニューヨーク市内の飲食業では合法、不法移民の労働者が多く働いている実態もあり、新型コロナが低所得者層の生活に深刻な影を落している。
ニューヨーク・ブルックリン区のレストランでウエートレスとして働くアンナ・スミスさんは15日夜、スタッフ会議で約40人の従業員とともに解雇を言い渡された。
ニューヨーク州のクオモ知事が持ち帰り・配達以外の飲食店の営業停止を発表する数時間前だった。
最後に開いていたワインを同僚と飲み、店のオーナーは苦渋の決断に涙を流したという。
「仕方がないが、お金のことで常に不安だ。いつ正常化し、働くことができるのか分からない」。スミスさんは途方にくれた。
全米レストラン協会は今後3カ月で、500万〜700万人が失業するとの試算を発表。
特に30万人超が飲食業界で働くニューヨーク市は深刻で、「時間給の従業員から始まり、今ではマネジャー職も含めほぼ全員が職を失っている」(飲食業で働く日本人)。
店主らはインターネット上で資金を集めるクラウドファンディングや食事カード販売などを行い、従業員支援のための金策に必死だ。
ニューヨークの飲食業界には時間給の移民の労働者も多い。米紙ニューヨーク・タイムズによると、市内のレストランで働く不法移民のカルロス・ロドリゲスさんは
14日に解雇を通告され、「どうやって次の家賃を支払えばいいのか、わからない」と語った。
ロドリゲスさんのような不法移民は時給15ドル(約1650円)とチップで生活費を賄い、失業保険や低所得者向け公的医療保険(メディケイド)などの給付対象外だ。
失業による影響は計り知れない。
米労働省が19日に発表した新規失業保険申請件数(季節調整済み)は28万1000件。各州の労働局には問い合わせが殺到しており、
バンク・オブ・アメリカは26日発表の申請件数が300万件に膨れるとも予測。
リーマン・ショック時のピークだった66万5千件(2009年3月)を上回ることは確実視され、未曽有の事態に現金給付などの支援策を早急に求める声が高まっている。