新潟県佐渡島の沖合で昨年3月、高速船「ぎんが」(乗員乗客125人)が何らかの物体とぶつかり、乗客らが重軽傷を負った事故で、運輸安全委員会は26日、衝突箇所は後部の水中翼で、強い衝撃が生じたとみられるとする調査報告書を公表した。衝突した物体はクジラなどの可能性が指摘されていたが、特定できなかったという。
報告書によると、事故は昨年3月9日に発生。ぎんがは新潟港(新潟市)から両津港(同県佐渡市)へ向かう途中で、時速77キロで航行中だった。海中の物体と衝突し、乗客108人と乗員1人が負傷。うち55人が腰椎骨折などの重傷だった。船体の右舷船尾部には穴が開くなどの損傷があった。
船長や機関長は衝突直前に物体に気付き、回避しようとしたが、近距離だったため避けられなかったとみられる。
客室は1、2階にあり、後方に座っていた乗客が重傷を負うケースが多かった。運輸安全委は衝突の弾みで船体後部が持ち上げられた後、海面にぶつかったことで大きな衝撃を受けたとみている。
座席のクッションが改良型なら衝撃は2割程度軽減されると指摘。衝撃を吸収する座席やクッションの導入について、再発防止策として事業者に指導するよう国土交通相に勧告した。
高速船の事故では、2006年4月にも鹿児島県・佐多岬沖で後部水中翼とクジラのような物体が衝突し、負傷者が多数出た。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020032600391