首都・東京が騒然となったコロナショック対応と東京五輪の延期決定に合わせた、小池百合子都知事のしたたかな政界遊泳術が話題になっている。
思惑どおりの五輪延期決定を7月の都知事選での再選戦略につなげたうえ、
2021年夏と見込まれる東京五輪の開催と成功を目指して、疎遠とされていた安倍晋三首相や森喜朗・五輪組織委員会会長との親密な連携ぶりをアピールしているからだ。
■得意のパフォーマンスも復活
このところ地味な言動に徹していた小池氏だが、五輪延期決定とそれに伴う知事再選が確実となった途端、新型コロナウイルス感染拡大への対応で、
3月25日夜に「オーバーシュート(感染爆発)の重大局面」と首都封鎖(ロックダウン)も辞さない方針を突然打ち出した。
テレビカメラの前で見得を切るなど、得意技だった小池流パフォーマンスも復活させた。
小池氏がここにきて「五輪準備以上に腐心していた」(自民都議)のが、7月投開票の都知事選をにらんだ再選戦略だった。
2016年の前回都知事選は「崖から飛び降りる覚悟」で出馬し、「小池憎し」で立ちはだかる自民党の東京都連を粉砕して圧勝した。
「緑のタヌキ」とも揶揄されたしたたかな言動とパフォーマンスは、「小池劇場」として都民だけでなく国民の注目の的となった。
その余勢を駆って、2017年秋の衆院解散直前に保守新党「希望の党」を立ち上げて「安倍首相の心胆を寒からしめた」(自民幹部)。
しかし、築地市場の豊洲移転問題での迷走や安倍政権打倒を狙った希望の党の衆院選敗北という挫折で、
同党代表辞任を余儀なくされたあたりから、持ち前の派手なパフォーマンスは影を潜め、「都庁での引きこもり状態」(自民都連)が続いていた。
その一方で、都知事再選を狙って長年の盟友とされる自民党の二階俊博幹事長と意を通じることで、反小池で固まっていた自民党都連との水面下での手打ち工作も進めてきた。
それを一気に進展させたのが、3月24日に国際オリンピック委員会(IOC)が決定した五輪の1年延期だった。
都知事選で小池氏の対抗馬擁立を模索してきた自民党都連は、五輪延期決定の翌25日に行われた都議会予算特別委員会で、知事提出の2020年度当初予算案に賛成し、従来の対決姿勢を転換した。
それと同時に「予算に賛成したのに、選挙で対立はできない」(幹部)と知事選での対立候補擁立も断念した。
「五輪準備で安倍首相や森氏と連携する小池氏の再選を邪魔すれば、自民都連が都民から非難される」(同)との判断からで、予算案への賛成は知事選で小池氏を支援する地ならしとみられている。
■都知事選は事実上の無風状態に
ただ、小池氏の爆弾発言がインターネットなどで都民の間で一気に拡散し、25日夜からスーパーやコンビニでの食品などの買い占めによる大混乱を招いた。
26日の東京株式市場も首都封鎖による経済危機への不安から急落。関係者の間では「百合子ショック」との言葉も飛び交った。
26日には、東京を中心に巨大な首都圏を構成する神奈川、千葉、埼玉、山梨各県も小池氏に呼応する形で、各県知事が「都内への通勤自粛や週末の外出自粛」を呼び掛けた。
これを踏まえて小池氏は同日夜に4県知事とのテレビ会議を行い、都知事を中心とした緊密連携を確認するなど指導力をアピールした。
小池氏が圧倒的優位となった都知事選では、立憲民主党など主要野党が有力な対立候補擁立を目指している。
しかし、「小池氏に勝てる候補はいない」(国民民主幹部)のが実情で、「結果的に事実上の無風選挙で小池氏が再選となる可能性が大きい」(自民都連)との見方が広がる。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200328-00340458-toyo-bus_all&p=2
3/28(土) 5:31配信
思惑どおりの五輪延期決定を7月の都知事選での再選戦略につなげたうえ、
2021年夏と見込まれる東京五輪の開催と成功を目指して、疎遠とされていた安倍晋三首相や森喜朗・五輪組織委員会会長との親密な連携ぶりをアピールしているからだ。
■得意のパフォーマンスも復活
このところ地味な言動に徹していた小池氏だが、五輪延期決定とそれに伴う知事再選が確実となった途端、新型コロナウイルス感染拡大への対応で、
3月25日夜に「オーバーシュート(感染爆発)の重大局面」と首都封鎖(ロックダウン)も辞さない方針を突然打ち出した。
テレビカメラの前で見得を切るなど、得意技だった小池流パフォーマンスも復活させた。
小池氏がここにきて「五輪準備以上に腐心していた」(自民都議)のが、7月投開票の都知事選をにらんだ再選戦略だった。
2016年の前回都知事選は「崖から飛び降りる覚悟」で出馬し、「小池憎し」で立ちはだかる自民党の東京都連を粉砕して圧勝した。
「緑のタヌキ」とも揶揄されたしたたかな言動とパフォーマンスは、「小池劇場」として都民だけでなく国民の注目の的となった。
その余勢を駆って、2017年秋の衆院解散直前に保守新党「希望の党」を立ち上げて「安倍首相の心胆を寒からしめた」(自民幹部)。
しかし、築地市場の豊洲移転問題での迷走や安倍政権打倒を狙った希望の党の衆院選敗北という挫折で、
同党代表辞任を余儀なくされたあたりから、持ち前の派手なパフォーマンスは影を潜め、「都庁での引きこもり状態」(自民都連)が続いていた。
その一方で、都知事再選を狙って長年の盟友とされる自民党の二階俊博幹事長と意を通じることで、反小池で固まっていた自民党都連との水面下での手打ち工作も進めてきた。
それを一気に進展させたのが、3月24日に国際オリンピック委員会(IOC)が決定した五輪の1年延期だった。
都知事選で小池氏の対抗馬擁立を模索してきた自民党都連は、五輪延期決定の翌25日に行われた都議会予算特別委員会で、知事提出の2020年度当初予算案に賛成し、従来の対決姿勢を転換した。
それと同時に「予算に賛成したのに、選挙で対立はできない」(幹部)と知事選での対立候補擁立も断念した。
「五輪準備で安倍首相や森氏と連携する小池氏の再選を邪魔すれば、自民都連が都民から非難される」(同)との判断からで、予算案への賛成は知事選で小池氏を支援する地ならしとみられている。
■都知事選は事実上の無風状態に
ただ、小池氏の爆弾発言がインターネットなどで都民の間で一気に拡散し、25日夜からスーパーやコンビニでの食品などの買い占めによる大混乱を招いた。
26日の東京株式市場も首都封鎖による経済危機への不安から急落。関係者の間では「百合子ショック」との言葉も飛び交った。
26日には、東京を中心に巨大な首都圏を構成する神奈川、千葉、埼玉、山梨各県も小池氏に呼応する形で、各県知事が「都内への通勤自粛や週末の外出自粛」を呼び掛けた。
これを踏まえて小池氏は同日夜に4県知事とのテレビ会議を行い、都知事を中心とした緊密連携を確認するなど指導力をアピールした。
小池氏が圧倒的優位となった都知事選では、立憲民主党など主要野党が有力な対立候補擁立を目指している。
しかし、「小池氏に勝てる候補はいない」(国民民主幹部)のが実情で、「結果的に事実上の無風選挙で小池氏が再選となる可能性が大きい」(自民都連)との見方が広がる。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200328-00340458-toyo-bus_all&p=2
3/28(土) 5:31配信