政府は平成28年3月の「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」において、令和2年に東北6県の外国人延べ宿泊者数を平成27年の3倍の150万人泊にする目標を掲げた。東北地域に訪日外国人旅行者を呼び込むため、官民が一体となったトップセールスや集中的な訪日プロモーションの実施、国際定期便の新規就航やチャーター便の増加など、さまざまな取り組みを行ってきた。
その効果もあって訪日外国人旅行者の誘客につながり、日本政府観光局(JNTO)が2月28日に発表した令和元年の年間値(速報値)で、東北6県の外国人延べ宿泊者数が155万7,910人泊となり、政府目標の150万人泊を1年前倒しで突破した。
また、観光庁が3月11日に発表した「主要旅行業者の旅行取扱状況速報(令和2年1月分)」によると、日本の旅行会社によるインバウンド向けの旅行取扱いを指す「外国人旅行」の総取扱額は125億6,747万5,000円で、前年同月を21.0%上回った。
昨年は2月だった春節が今年は1月に前倒しになったことや、MICE関連が好調だったことなどから前年を上回った。MICEはビジネストラベルのひとつの形態で、「Meeting(会議・研修・セミナー)・Incentive tour(報奨・招待旅行)・Convention またはConference(大会・学会・国際会議)・Exhibition(展示会)」の頭文字をとった造語。参加者が多く、一般の観光旅行に比べ消費額が大きいことなどから、MICEの誘致に力を入れている。
しかし、直近の外国人旅行者数は大きく減少している。JNTOが3月19日に発表した「訪日外客数 2020年2月推計値」によると、2月に日本を訪れた外国人旅行者の数は108万5,100人で、前年同月比で58.3%減少した。前年同月を下回るのは5カ月連続。
昨年は2月だった春節が1月になったことの反動に加え、新型コロナの影響で団体ツアーの販売を禁止するなどの動きがあり、中国が同87.9%減、韓国が同79.9%減など、東アジア市場で前年を大きく下回ったほか、マレーシア、インド、カナダ、シンガポール、英国、米国、イタリアでも20%台のマイナスとなった。
3月は新型コロナの影響が世界中で広がっており、旅行需要がさらに大きく落ち込んでいる。今後の市場動向には注視する必要がありそうだ
3/28(土) 13:00配信
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