<新型コロナ>オンライン診療 中国で加速 行列不要、院内感染の恐れなし、薬は宅配
2020年3月30日 配信
https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/202003/CK2020033002100030.html
新型コロナウイルス感染症の拡大がきっかけとなり、中国でオンライン診療が急速に普及しつつある。政府が規制緩和に動き、各地の病院で導入する動きが加速した。対面診療に比べて患者の情報を得るのが難しいとの課題もあるが、デジタル技術の発展に伴う医療分野のイノベーションへの期待が高まっている。 (上海支局・白山泉、写真も)
◆チベットから上海で受診
「今標高四、四〇〇メートルの自宅にいます。頭痛やせきがあって新型コロナの感染が心配です」
上海市内の総合病院「徐匯区中心医院」。医師のパソコンの画面上に現れたのは、約三千キロ離れたチベット自治区に住む男性。時折ネットの回線が滞るが、地元の病院で行った血液検査の結果を画面上に掲示しながら相談を続けた。
対応した内科医は「呼吸器科で、より細かな診察を受けてください」と話し、呼吸器科医のパソコンに転送。画面に並ぶ別の患者の名前をクリックすると次の患者とのテレビ電話が始まった。
同病院は、二月末に始めた二十四時間対応のオンライン診療の現場を報道陣に公開。新型コロナが世界に広がり、米国の大学に通う学生など海外に住む中国人からの心理面の相談にも応じているという。
◆登録、予約、支払いすべてネットで
都市部の病院では高度な医療を求めて地方から人が押しよせ、風邪薬をもらうのにも数時間かかるのが中国の医療事情。こうした中で新型コロナの院内感染が深刻化し、中国政府が保険適用を認めることを提案するなど規制緩和に動いた。
同病院がオンライン診療を始めてから最初の二週間で受け入れた患者数は五千人以上。周倹院長は「院内感染の心配もなく、自宅や職場に居ながらにして受診できる。便利で安心だ」と手応えを語る。
ネットで登録するだけで初診も可能で、予約もできるため待ち時間も少ない。受診料や薬代はネット上で決済でき、市内に住む人には薬は宅配する。検査を受ける際は通院する必要があるが、結果はネット上で医師に共有され、結果を聞くためにあらためて通院する手間は省けるという
上海市内の総合病院で、パソコン画面で患者から相談を受ける医師
◆AIや5Gでさらに加速か
※以下省略
2020年3月30日 配信
https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/202003/CK2020033002100030.html
新型コロナウイルス感染症の拡大がきっかけとなり、中国でオンライン診療が急速に普及しつつある。政府が規制緩和に動き、各地の病院で導入する動きが加速した。対面診療に比べて患者の情報を得るのが難しいとの課題もあるが、デジタル技術の発展に伴う医療分野のイノベーションへの期待が高まっている。 (上海支局・白山泉、写真も)
◆チベットから上海で受診
「今標高四、四〇〇メートルの自宅にいます。頭痛やせきがあって新型コロナの感染が心配です」
上海市内の総合病院「徐匯区中心医院」。医師のパソコンの画面上に現れたのは、約三千キロ離れたチベット自治区に住む男性。時折ネットの回線が滞るが、地元の病院で行った血液検査の結果を画面上に掲示しながら相談を続けた。
対応した内科医は「呼吸器科で、より細かな診察を受けてください」と話し、呼吸器科医のパソコンに転送。画面に並ぶ別の患者の名前をクリックすると次の患者とのテレビ電話が始まった。
同病院は、二月末に始めた二十四時間対応のオンライン診療の現場を報道陣に公開。新型コロナが世界に広がり、米国の大学に通う学生など海外に住む中国人からの心理面の相談にも応じているという。
◆登録、予約、支払いすべてネットで
都市部の病院では高度な医療を求めて地方から人が押しよせ、風邪薬をもらうのにも数時間かかるのが中国の医療事情。こうした中で新型コロナの院内感染が深刻化し、中国政府が保険適用を認めることを提案するなど規制緩和に動いた。
同病院がオンライン診療を始めてから最初の二週間で受け入れた患者数は五千人以上。周倹院長は「院内感染の心配もなく、自宅や職場に居ながらにして受診できる。便利で安心だ」と手応えを語る。
ネットで登録するだけで初診も可能で、予約もできるため待ち時間も少ない。受診料や薬代はネット上で決済でき、市内に住む人には薬は宅配する。検査を受ける際は通院する必要があるが、結果はネット上で医師に共有され、結果を聞くためにあらためて通院する手間は省けるという
上海市内の総合病院で、パソコン画面で患者から相談を受ける医師
◆AIや5Gでさらに加速か
※以下省略