世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は8日、ジュネーブでの記者会見で、トランプ米大統領がWHOによる新型コロナウイルスへの対応を「非常に中国寄りだ」と批判したことについて「われわれは全ての国に寄り添っている」と反論した。
テドロス氏は会見で、新型コロナで多くの命が失われているとし、「団結しなければ、全ての国が苦境に陥る」との見方を示した。
トランプ氏を名指しすることを避けつつも、「死者の増加を望まないのであれば、(新型コロナの問題を)政治化するのは控えてほしい」と強調。
「米国と中国はともに(新型コロナという)危険な敵と戦うべきだ」と訴えた。
また、「われわれは天使ではなく、人間なので間違うこともある」とした上で「最新のデータ、情報やその根拠を全世界に伝え続けてきた」とWHOの正当性を主張した。
一方、WHOのクルーゲ欧州地域事務局長は8日、トランプ氏が米国からのWHO拠出金の凍結または削減を検討すると表明したことに触れ、新型コロナは「依然としてパンデミック(世界的大流行)の段階にあるので、今は拠出金を削減するときではない」と反発した。
WHOのアイルワード事務局長補佐官も同日、WHOが新型コロナ発生の早い段階で情報を得るために「(感染の発生地である)中国と協力することは極めて重要だった」と擁護した。
トランプ氏は7日、ホワイトハウスでの記者会見で、「WHOは米国から巨額の拠出金を受けている。それなのに中国寄りの態度を取るなら拠出金の在り方を検討する」などと話していた。
https://www.sankei.com/world/news/200409/wor2004090003-n1.html
* * *
アメリカのトランプ大統領がWHO(世界保健機関)への資金拠出の見直しを示唆したことについて、テドロス事務局長はウイルス問題の政治利用だと苦言を呈しました。
WHO・テドロス事務局長:「新型コロナを政治的な点数稼ぎに使わないで下さい」
新型コロナウイルスを巡るWHOの対応について、トランプ大統領は7日に「アメリカからも多額の拠出金を受けているのに中国寄りだ」と発言し、拠出金の見直しを検討する考えを示しました。
これに対し、WHOのテドロス事務局長は会見でウイルス問題の政治的利用はさらに多くの人の死につながると指摘し、「誰かのせいにして時間を無駄にすべきではない」と訴えました。
そのうえで、アメリカの資金拠出に感謝の意を示し、中国と協調するよう呼び掛けました。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000181338.html