新型コロナウイルスの治療法については、世界中の科学者が1日も早く安全な方法を見出そうと日々研究を重ねている。
アメリカでは、急増する感染者により脅威が拡大したことから、FDA(米国食品医薬品局)が新型コロナウイルスに対する実験的治療の適用に関する規定を変更。病院によっては、実際にコロナウイルスから回復した患者の血漿(けっしょう)を重篤患者に使う実験が行われている。
カリフォルニア在住の男性は、3月にコロナウイルスに感染したが無事回復した。その後、病院側からの依頼を受けて、自身の血漿を3人の重篤患者に寄付した。その結果3人とも今のところ一命を取り留めたという。
3月初めにコロナウイルスを発症した男性
カリフォルニア州サンディエゴ郡エスコンディードに住むジェイソン・ガルシアさん(36歳)は、3月6日に軽い咳き込みと倦怠感に見舞われた。
この時は、症状についてあまり深く考えていなかったというガルシアさん。しかし後日、出張時に咳を伴う頭痛に襲われ、その後1日も経たないうちに発熱し、体の痛みを覚えた。
息切れを感じたガルシアさんは、かかりつけの医師に電話すると病院で新型コロナウイルス検査を受けるように勧められたため、来院した。
その検査結果が出たのは、3月14日のこと。ガルシアさんは陽性だった。
陽性と診断された時、恐怖を覚え戦慄しました。
当時を振り返りそう語るガルシアさんは、以降医師に自宅隔離を言い渡され、10日間妻や生後11か月の娘とも距離を置いて過ごした。
やがて18日には無症状となったものの、サンディエゴ郡保健局からは23日までの待機を求められ、安全のために5日間自己隔離を続けた。
病院側が血漿を寄付してくれる回復者を求める
ガルシアさんは、回復後SNSで喜びをシェア。同じ頃、オレンジ郡セント・ジョセフ病院では医療従事者がSNSを介して実験的治療に協力してくれる人を探していた。
それは、新型コロナウイルスの回復者から血漿の寄付を呼びかけるものだった。
血漿とは、血液の成分の液状部分のことで、その中には体の免疫反応を生み出す抗体を含んでいる。
血漿を患者に直接輸血するにあたり、従来ならば本当に安全で効果的か否かを確かめる臨床試験を必要とする。
しかし、そうした臨床試験が完了していない中でも、FDA(米国食品医薬品局)は進行中の新型コロナウイルスに対する実験的治療の適用に関する規定を変更した。感染患者と死者数が増加の一途を辿り、現状の公衆衛生上の脅威が避けられないものであることを実感したからだ。
ただ現段階では、治療対象者はあくまでも重篤な患者に限られる。実験では、回復患者から採取した血漿が、実際に新型コロナウイルスやそれを引き起こすウイルスに対して有効だという可能性を示す複数の兆候が認められているようだ。
現在開発中の他の治療法と同様、この方法もまだ多くの実験や研究を要するが、多くの研究者がこの課題に取り組んでいる。
もし、この開発がうまくいけば新型コロナウイルスにより心痛を抱える多くの人を救い、患者に人生と闘うチャンスを与えることができるのだ。
ガルシアさん、自分の血漿を3人の重篤患者に寄付
ガルシアさんの回復の投稿と病院の投稿を見ていたガルシアさんの友人は、検疫機関が終了した数日後にガルシアさんに連絡。
その後、病院側からも連絡を受けたガルシアさんは、「治療法がないこの病に苦しむ人が、少しでも多く命が救われる機会を得られることになれば」と思い、自分の血漿を寄付することに同意した。
セント・ジョセフ病院のウェンディ・エスコベード看護婦長は、次のように述べている。
血漿の寄付により、現患者は回復したガルシアさんの抗体を受け取って、病と闘うことができるのです。
ガルシアさんは4月1日に3人の患者に血漿を寄付した。その患者は3人ともが重篤な症状だったが、その後一命を取り留めたこと、3人は現在も複数の薬を飲んでいるが、健康状態は毎日少しずつ回復に向かっていることを医師から伝えられたそうだ。
「自分の場合、どのような経緯で感染したのかは不明ですが、ワクチンが開発されるまで治療に貢献できたことを嬉しく思っています」と話すガルシアさん。
西海岸では初の血漿ドナーとなった彼もまた、今後のワクチン開発に大きな期待を寄せる1人となったようだ。
http://karapaia.com/archives/52289659.html
アメリカでは、急増する感染者により脅威が拡大したことから、FDA(米国食品医薬品局)が新型コロナウイルスに対する実験的治療の適用に関する規定を変更。病院によっては、実際にコロナウイルスから回復した患者の血漿(けっしょう)を重篤患者に使う実験が行われている。
カリフォルニア在住の男性は、3月にコロナウイルスに感染したが無事回復した。その後、病院側からの依頼を受けて、自身の血漿を3人の重篤患者に寄付した。その結果3人とも今のところ一命を取り留めたという。
3月初めにコロナウイルスを発症した男性
カリフォルニア州サンディエゴ郡エスコンディードに住むジェイソン・ガルシアさん(36歳)は、3月6日に軽い咳き込みと倦怠感に見舞われた。
この時は、症状についてあまり深く考えていなかったというガルシアさん。しかし後日、出張時に咳を伴う頭痛に襲われ、その後1日も経たないうちに発熱し、体の痛みを覚えた。
息切れを感じたガルシアさんは、かかりつけの医師に電話すると病院で新型コロナウイルス検査を受けるように勧められたため、来院した。
その検査結果が出たのは、3月14日のこと。ガルシアさんは陽性だった。
陽性と診断された時、恐怖を覚え戦慄しました。
当時を振り返りそう語るガルシアさんは、以降医師に自宅隔離を言い渡され、10日間妻や生後11か月の娘とも距離を置いて過ごした。
やがて18日には無症状となったものの、サンディエゴ郡保健局からは23日までの待機を求められ、安全のために5日間自己隔離を続けた。
病院側が血漿を寄付してくれる回復者を求める
ガルシアさんは、回復後SNSで喜びをシェア。同じ頃、オレンジ郡セント・ジョセフ病院では医療従事者がSNSを介して実験的治療に協力してくれる人を探していた。
それは、新型コロナウイルスの回復者から血漿の寄付を呼びかけるものだった。
血漿とは、血液の成分の液状部分のことで、その中には体の免疫反応を生み出す抗体を含んでいる。
血漿を患者に直接輸血するにあたり、従来ならば本当に安全で効果的か否かを確かめる臨床試験を必要とする。
しかし、そうした臨床試験が完了していない中でも、FDA(米国食品医薬品局)は進行中の新型コロナウイルスに対する実験的治療の適用に関する規定を変更した。感染患者と死者数が増加の一途を辿り、現状の公衆衛生上の脅威が避けられないものであることを実感したからだ。
ただ現段階では、治療対象者はあくまでも重篤な患者に限られる。実験では、回復患者から採取した血漿が、実際に新型コロナウイルスやそれを引き起こすウイルスに対して有効だという可能性を示す複数の兆候が認められているようだ。
現在開発中の他の治療法と同様、この方法もまだ多くの実験や研究を要するが、多くの研究者がこの課題に取り組んでいる。
もし、この開発がうまくいけば新型コロナウイルスにより心痛を抱える多くの人を救い、患者に人生と闘うチャンスを与えることができるのだ。
ガルシアさん、自分の血漿を3人の重篤患者に寄付
ガルシアさんの回復の投稿と病院の投稿を見ていたガルシアさんの友人は、検疫機関が終了した数日後にガルシアさんに連絡。
その後、病院側からも連絡を受けたガルシアさんは、「治療法がないこの病に苦しむ人が、少しでも多く命が救われる機会を得られることになれば」と思い、自分の血漿を寄付することに同意した。
セント・ジョセフ病院のウェンディ・エスコベード看護婦長は、次のように述べている。
血漿の寄付により、現患者は回復したガルシアさんの抗体を受け取って、病と闘うことができるのです。
ガルシアさんは4月1日に3人の患者に血漿を寄付した。その患者は3人ともが重篤な症状だったが、その後一命を取り留めたこと、3人は現在も複数の薬を飲んでいるが、健康状態は毎日少しずつ回復に向かっていることを医師から伝えられたそうだ。
「自分の場合、どのような経緯で感染したのかは不明ですが、ワクチンが開発されるまで治療に貢献できたことを嬉しく思っています」と話すガルシアさん。
西海岸では初の血漿ドナーとなった彼もまた、今後のワクチン開発に大きな期待を寄せる1人となったようだ。
http://karapaia.com/archives/52289659.html