【ニューヨーク=吉田】国連児童基金(ユニセフ)は13日、新型コロナウイルスの感染拡大で、麻疹のワクチンを受けられない子供が37カ国で1億人以上に上る可能性があるとの警告を発した。世界各地で医療現場が混乱しており、ワクチンの支援が滞る恐れがある。
ユニセフがワクチンを提供している84の国のうち、麻疹が流行しているブラジルやコンゴ民主共和国などの24カ国で活動を停止している。国連は世界的に新型コロナの感染が拡大するなか、活動を取りやめる国がさらに増えると予想している。去年はコンゴ民主共和国で6000人が麻疹に感染して死亡した。
世界保健機関(WHO)によると、麻疹はワクチンを2回摂取していればほぼ確実に感染せず、人口の95%が一度摂取していれば大流行も防げるという。ただ、ワクチンが行き届いていない国は多く、2018年には乳児や子供を中心に14万人が死亡した。
日本経済新聞 2020年4月14日 9:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58014430U0A410C2000000/