アメリカ眼科学会と日本眼科学会が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策には目の保護も重要として、「パンデミック中はコンタクトレンズよりもメガネを使うべき」と主張しました。
2020年3月10日、アメリカ眼科学会は「新型コロナウイルスは目から感染する可能性がある」と発表。感染者のせき・くしゃみで噴霧された液滴が目に入ったり、新型コロナウイルスが付着したドアノブなどを触った手で目をこすったりすると目から感染しうると述べました。日本眼科学会も2020年4月1日に発表した「新型コロナウイルス感染症の目に関する情報」の中で、「新型コロナウイルスは、目の粘膜組織である『結膜』からも感染する可能性があります」と述べ、国民に対して「洗っていない手で目を触らない」「感染を広げないように、目を触った後にあちらこちらを触らない」の2点を守るように促しました。
以上のように、2つの眼科学会が「目からの直接的感染」の可能性を示唆していますが、アメリカ眼科学会の広報担当も務めている眼科医のトーマス・ステインマン氏によると、「目から直接的に感染する証拠は見つかっておらず、あり得たとしても可能性はごくわずか」とのこと。ステインマン氏は「目をこすった後で、その指を経由して口・鼻にウイルスが入ることで感染することを防ぐ」というのが目を保護する主な理由だと説明しました。
感染を拡大しうる「目をこする」という動作について、アメリカ眼科学会は、コンタクトレンズの使用者はコンタクトレンズの着脱時以外にも目と顔に触る回数が多いという傾向が存在することを指摘して、「コンタクトレンズを着用している場合はメガネに切り替えることを検討してください」と明言。さらに「メガネにはせき・くしゃみからの飛沫を防ぐ効果も存在します」とも言及しました。日本眼科学会は「コンタクトレンズの着脱時に十分に手を洗うならば大丈夫」としながらも、「心配ならばメガネに代えても良いでしょう」と記しています。
新型コロナウイルスが目から直接感染するかどうかはいまだハッキリとはわかりませんが、「新型コロナウイルスが眼病を生み出す」というのは確認された事実です。世界中からの報告によって、COVID-19患者のおよそ1〜3%が結膜炎になることがわかっています。結膜炎は目に違和感を生じさせたり、涙が増えたりといった症状を呈すため、COVID-19の感染者の目から出た涙や目を触った手から感染が拡大する可能性が指摘されていました。
これについて、アメリカ眼科学会は国内の医療機関に対して「不要不急の眼科治療を直ちに中止する」ことを推奨。目を経由して感染が広がるリスクを減らすだけではなく、眼科診療に必要な使い捨て医療用品を削減することでCOVID-19治療の最前線に立つ病院に使い捨て医療用品が行き渡るようになると訴え、各医療機関に配慮を求めました。
2020年3月25日には「感染者の涙からは新型コロナウイルスが検出されなかった」という研究結果がアメリカで発表されましたが、アメリカ眼科学会は「本研究はサンプル数が少なく、中国で実施された同様の研究では涙から新型コロナウイルスが検出されたと報告されている」「いずれにせよ医療用品の節約が必要」と述べ、いずれにせよ不要不急の治療を控えるように求め続けています。一方、日本眼科学会は受診を控えすぎて眼病が悪化することが問題として、処方された目薬がなくなりそうな場合だけでなく、「急激な視力低下が数時間〜半日続いた」「視野欠損などの視野異常が生じた」「目に激痛が生じた」「頭痛や吐き気を伴う目の痛みが続いた」場合には近くの眼科で治療を受けるように推奨しています。
全文はソース元で
2020年04月18日 09時00分
https://gigazine.net/news/20200418-contact-lenses-spreading-covid-19/
2020年3月10日、アメリカ眼科学会は「新型コロナウイルスは目から感染する可能性がある」と発表。感染者のせき・くしゃみで噴霧された液滴が目に入ったり、新型コロナウイルスが付着したドアノブなどを触った手で目をこすったりすると目から感染しうると述べました。日本眼科学会も2020年4月1日に発表した「新型コロナウイルス感染症の目に関する情報」の中で、「新型コロナウイルスは、目の粘膜組織である『結膜』からも感染する可能性があります」と述べ、国民に対して「洗っていない手で目を触らない」「感染を広げないように、目を触った後にあちらこちらを触らない」の2点を守るように促しました。
以上のように、2つの眼科学会が「目からの直接的感染」の可能性を示唆していますが、アメリカ眼科学会の広報担当も務めている眼科医のトーマス・ステインマン氏によると、「目から直接的に感染する証拠は見つかっておらず、あり得たとしても可能性はごくわずか」とのこと。ステインマン氏は「目をこすった後で、その指を経由して口・鼻にウイルスが入ることで感染することを防ぐ」というのが目を保護する主な理由だと説明しました。
感染を拡大しうる「目をこする」という動作について、アメリカ眼科学会は、コンタクトレンズの使用者はコンタクトレンズの着脱時以外にも目と顔に触る回数が多いという傾向が存在することを指摘して、「コンタクトレンズを着用している場合はメガネに切り替えることを検討してください」と明言。さらに「メガネにはせき・くしゃみからの飛沫を防ぐ効果も存在します」とも言及しました。日本眼科学会は「コンタクトレンズの着脱時に十分に手を洗うならば大丈夫」としながらも、「心配ならばメガネに代えても良いでしょう」と記しています。
新型コロナウイルスが目から直接感染するかどうかはいまだハッキリとはわかりませんが、「新型コロナウイルスが眼病を生み出す」というのは確認された事実です。世界中からの報告によって、COVID-19患者のおよそ1〜3%が結膜炎になることがわかっています。結膜炎は目に違和感を生じさせたり、涙が増えたりといった症状を呈すため、COVID-19の感染者の目から出た涙や目を触った手から感染が拡大する可能性が指摘されていました。
これについて、アメリカ眼科学会は国内の医療機関に対して「不要不急の眼科治療を直ちに中止する」ことを推奨。目を経由して感染が広がるリスクを減らすだけではなく、眼科診療に必要な使い捨て医療用品を削減することでCOVID-19治療の最前線に立つ病院に使い捨て医療用品が行き渡るようになると訴え、各医療機関に配慮を求めました。
2020年3月25日には「感染者の涙からは新型コロナウイルスが検出されなかった」という研究結果がアメリカで発表されましたが、アメリカ眼科学会は「本研究はサンプル数が少なく、中国で実施された同様の研究では涙から新型コロナウイルスが検出されたと報告されている」「いずれにせよ医療用品の節約が必要」と述べ、いずれにせよ不要不急の治療を控えるように求め続けています。一方、日本眼科学会は受診を控えすぎて眼病が悪化することが問題として、処方された目薬がなくなりそうな場合だけでなく、「急激な視力低下が数時間〜半日続いた」「視野欠損などの視野異常が生じた」「目に激痛が生じた」「頭痛や吐き気を伴う目の痛みが続いた」場合には近くの眼科で治療を受けるように推奨しています。
全文はソース元で
2020年04月18日 09時00分
https://gigazine.net/news/20200418-contact-lenses-spreading-covid-19/