気象庁と環境省は7月から、熱中症の危険が高まった際に「熱中症警戒アラート」(仮称)を新たに発表する。有識者検討会の第1回会合が22日に開かれ、具体的な運用方法が話し合われた。まずは関東甲信の1都8県で試行し、来夏から全国に広げる方針だ。
気象庁はこれまで、最高気温が35度以上(一部地域を除く)の場合に「高温注意情報」を発表。自治体や報道機関に情報提供し、熱中症への警戒を呼び掛けてきた。だが、湿度など気温以外の指標とは無関係な情報であるため、熱中症の救急搬送者数と相関関係が見られないケースがあったという。
一方、環境省は気温や湿度を基に独自の「暑さ指数」を全国840地点で計測してきた。熱中症搬送者数との関係が見られるものの、公表はホームページが中心で認知度が低いことが課題だった。
7月からは両省庁が協力して互いの強みを生かす。予想される暑さ指数が一定の数値を超える場合、前日夕や当日朝に都道府県単位でアラートを発令する方針だ。伝達手段は報道機関や自治体への情報提供などを予定しており、「外出はなるべく避け、室内をエアコン等で涼しい環境にして過ごしてください」と具体的な行動例を示して注意を促す。気象庁は「情報を効果的に発信し、熱中症予防の行動につなげたい」としている。高温注意情報については将来的に発表をやめるという。【黒川晋史】
毎日新聞2020年4月22日 20時08分(最終更新 4月22日 20時08分)
https://mainichi.jp/articles/20200422/k00/00m/040/230000c