感染が拡大している新型コロナウイルスをめぐり、札幌市と北海道は29日、同市内で7つ目のクラスター(感染者集団)が発生した介護老人保健施設「茨戸(ばらと)アカシアハイツ」(同市北区)で新たに20人の感染が確認されたと発表した。この老健施設の感染者は計35人となった。
クラスターが拡大している「国立病院機構北海道がんセンター」(同市白石区)でも、この日新たに2人の感染が確認され、計67人となった。
札幌市の担当者は「市中感染が広がり、その規模が一定になるとクラスターが出る。施設のような感染症に弱いところに(ウイルスが)入ると一気に増え、重症化にもつながりかねない」と危機感を示した。
札幌市では29日、市立中央中学の教員や市消防職員、道警の警察官らの感染も確認された。この日市内で判明した感染者は、これまでの最多と並ぶ26人に上った。
札幌市などによると、老健施設で29日に判明した20人の内訳は入所者の70〜100歳代男女19人と60歳代の女性職員1人。市によると、入所者は全体で96人で、うち3人が29日までに入院した。隣接する通所施設(デイケア)でも、これまでに職員の感染が判明している。
札幌市内のクラスターはこれまで、繁華街すすきの地区のライブバー▽札幌呼吸器科病院(白石区)▽北海道がんセンター▽札幌厚生病院(中央区)▽スポーツ教室▽コールセンター▽茨戸アカシアハイツ−の7つが発生。このうちライブバーは収束している。
市の担当者は「感染者数の増加の動きが東京に1〜2週間遅れる形で増えているので、東京の動きを注目している。札幌のピークはもう少し先になる」との見通しを示した。
2020.4.29 19:58
https://www.sankei.com/life/news/200429/lif2004290054-n1.html