新型コロナの感染拡大を防ぐため、大阪でも「自粛」が徹底された=大阪市浪速区
政府は14日、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言について、一部の県の解除を決定する。重点的な対策が必要な、東京や大阪などの「特定警戒都道府県」以外の34県を一斉に解除する方向で調整。特定警戒である、茨城や愛知、岐阜、福岡なども同時に解除するかは、14日の専門家会議の意見を踏まえ、最終判断する方針だ。新型コロナウイルスには「第2波」「第3波」の襲来が確実視されている。感染拡大を警戒しながら、社会経済活動を再開させるには、どうすべきか。日本維新の会代表で、大阪市の松井一郎市長は人気連載「維新伝心」で、独自の自粛解除基準「大阪モデル」と、政府に求める新たな経済対策などを語った。
◇
大型連休が明けて、新型コロナウイルスの1日当たりの感染者数が減少傾向となっている。これは、多くの国民が感染拡大を防ぐため、「医療崩壊」を避けるために、必死に努力してきた結果だと思う。政党代表として、自治体のトップとして、心から感謝したい。
今後は、日本経済や国民生活を守るためにも、休業要請や外出自粛要請を段階的に解除して、社会経済活動を再開していくことが求められる。
大阪では、新型コロナ対策に「府市一体」で取り組んでおり、吉村洋文府知事とは連休前から、「解除基準を数字で表そう」と相談していた。それが、吉村氏が5日に発表した独自基準「大阪モデル」だ。
出口の見えないトンネルは不安で仕方ない。客観的な数値を「見える化」することで、人々に「希望」を与える一方、悪化の兆しがあれば「警戒」を呼びかけるものだ。
具体的には、(1)新たに感染した人のうち感染経路不明者の人数が10人未満(2)PCR検査で陽性になった人の割合が7%未満(3)重症患者用の病床使用率が60%未満−の3つ。
7日間連続で下回れば、段階的に自粛を解除していく方針だが、クリアする日が続いたため、途中で自粛が緩んでいる気がする。解除前なのに、一部のパチンコ店や飲食店、商業施設などが独自に再開している。これは極めて危険と言わざるを得ない。
感染症の専門家は「新型コロナウイルスは第1波では終わらない。第2波、第3波が必ずある」と明言している。
新型コロナウイルスには、ワクチンが存在せず、特効薬もない。途中で自粛を緩めて、第2波、第3波が襲来すれば、自分や大切な人の命や健康を脅かし、生活の基盤である経済を壊しかねない。
自粛解除となっても、ワクチンや特効薬が完成するまでは、「新型コロナ前」のような生活はできない。1人1人が自覚を持って、行動様式に注意してほしい。
さて、国際通貨基金(IMF)は今年の世界経済が、世界恐慌(1930年代)以来、最悪の景気低迷に陥ると想定している。政府は、2020年度第1次補正予算で「国民1人当たり10万円給付」など、事業規模で117兆円の緊急経済対策を策定したが、まったく足りない。
私は、大阪の中小企業の現状を聞いているが、事業継続が困難となっている企業が多い。自粛が続くなかで、「これ以上、固定費(=人件費と家賃など)を負担するのは無理だ」と悲鳴を挙げている。
日本維新の会は先月末、立憲民主党と国民民主党、共産党、社民党とともに、中小事業者の家賃負担を軽減する法案を衆院に共同提出した。自民、公明与党は先週末、中小・個人事業主を対象にした「家賃支援策」を安倍晋三首相に提案したが、遅すぎる。一日も早く成立させてほしい。
「生活支援」としての現金給付の第2弾もやるべきだ。
第1弾では所得制限を付けずに「国民一律」としたが、国会・地方議員や地方自治体の首長、公務員など収入が減らない人々もいる。第2弾は新型コロナで経済的打撃を受けた人々に手厚くすべきだ。
この連載で何度も主張している「消費税減税」も不可欠だ。
新型コロナが一段落して、消費喚起のために行う「経済対策」としては減税が最も効果的だ。財務省は激しく抵抗するだろうが、「軽減税率」を2年間ほど限定して、すべての商品やサービスに適用すればいい。安倍首相が決断すれば、実現するはずだ。(大阪市長、日本維新の会代表・松井一郎)
2020.5.14
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200514/dom2005140002-n1.html
政府は14日、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言について、一部の県の解除を決定する。重点的な対策が必要な、東京や大阪などの「特定警戒都道府県」以外の34県を一斉に解除する方向で調整。特定警戒である、茨城や愛知、岐阜、福岡なども同時に解除するかは、14日の専門家会議の意見を踏まえ、最終判断する方針だ。新型コロナウイルスには「第2波」「第3波」の襲来が確実視されている。感染拡大を警戒しながら、社会経済活動を再開させるには、どうすべきか。日本維新の会代表で、大阪市の松井一郎市長は人気連載「維新伝心」で、独自の自粛解除基準「大阪モデル」と、政府に求める新たな経済対策などを語った。
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大型連休が明けて、新型コロナウイルスの1日当たりの感染者数が減少傾向となっている。これは、多くの国民が感染拡大を防ぐため、「医療崩壊」を避けるために、必死に努力してきた結果だと思う。政党代表として、自治体のトップとして、心から感謝したい。
今後は、日本経済や国民生活を守るためにも、休業要請や外出自粛要請を段階的に解除して、社会経済活動を再開していくことが求められる。
大阪では、新型コロナ対策に「府市一体」で取り組んでおり、吉村洋文府知事とは連休前から、「解除基準を数字で表そう」と相談していた。それが、吉村氏が5日に発表した独自基準「大阪モデル」だ。
出口の見えないトンネルは不安で仕方ない。客観的な数値を「見える化」することで、人々に「希望」を与える一方、悪化の兆しがあれば「警戒」を呼びかけるものだ。
具体的には、(1)新たに感染した人のうち感染経路不明者の人数が10人未満(2)PCR検査で陽性になった人の割合が7%未満(3)重症患者用の病床使用率が60%未満−の3つ。
7日間連続で下回れば、段階的に自粛を解除していく方針だが、クリアする日が続いたため、途中で自粛が緩んでいる気がする。解除前なのに、一部のパチンコ店や飲食店、商業施設などが独自に再開している。これは極めて危険と言わざるを得ない。
感染症の専門家は「新型コロナウイルスは第1波では終わらない。第2波、第3波が必ずある」と明言している。
新型コロナウイルスには、ワクチンが存在せず、特効薬もない。途中で自粛を緩めて、第2波、第3波が襲来すれば、自分や大切な人の命や健康を脅かし、生活の基盤である経済を壊しかねない。
自粛解除となっても、ワクチンや特効薬が完成するまでは、「新型コロナ前」のような生活はできない。1人1人が自覚を持って、行動様式に注意してほしい。
さて、国際通貨基金(IMF)は今年の世界経済が、世界恐慌(1930年代)以来、最悪の景気低迷に陥ると想定している。政府は、2020年度第1次補正予算で「国民1人当たり10万円給付」など、事業規模で117兆円の緊急経済対策を策定したが、まったく足りない。
私は、大阪の中小企業の現状を聞いているが、事業継続が困難となっている企業が多い。自粛が続くなかで、「これ以上、固定費(=人件費と家賃など)を負担するのは無理だ」と悲鳴を挙げている。
日本維新の会は先月末、立憲民主党と国民民主党、共産党、社民党とともに、中小事業者の家賃負担を軽減する法案を衆院に共同提出した。自民、公明与党は先週末、中小・個人事業主を対象にした「家賃支援策」を安倍晋三首相に提案したが、遅すぎる。一日も早く成立させてほしい。
「生活支援」としての現金給付の第2弾もやるべきだ。
第1弾では所得制限を付けずに「国民一律」としたが、国会・地方議員や地方自治体の首長、公務員など収入が減らない人々もいる。第2弾は新型コロナで経済的打撃を受けた人々に手厚くすべきだ。
この連載で何度も主張している「消費税減税」も不可欠だ。
新型コロナが一段落して、消費喚起のために行う「経済対策」としては減税が最も効果的だ。財務省は激しく抵抗するだろうが、「軽減税率」を2年間ほど限定して、すべての商品やサービスに適用すればいい。安倍首相が決断すれば、実現するはずだ。(大阪市長、日本維新の会代表・松井一郎)
2020.5.14
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200514/dom2005140002-n1.html