https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200528/k10012449151000.html
福岡県の小川知事は、北九州市で新型コロナウイルスの感染確認が続いていることを受けて、
北九州市民に対し不要不急の外出自粛を呼びかけました。また、キャバレーなどへの休業要請を
今月末で解除するかどうか、北九州市も含めて県内一律に29日に判断する考えを示しました。
この中で、福岡県の小川知事は「緊急事態宣言が解除された。今までの努力が水泡に帰さないように、
第2波の到来を抑止しなければならない。私も北九州市の皆様には不要不急の外出自粛をお願いしたい」
と述べ、北九州市民に対し、不要不急の外出自粛を呼びかけました。
また小川知事は、ナイトクラブやキャバレーをはじめとする接待を伴う飲食店などへの休業要請を、
今月末で解除するかどうか、29日、県の対策本部会議を開いて判断する考えを示しました。
そのうえで、記者団から北九州市だけ休業要請を延長するという選択肢はあるのかと問われたのに対し、
「これだけ交通網が発達している中で、なかなか難しい」と述べ、要請を解除するかどうかは、
北九州市も含めて県内一律に判断する考えを示しました。
北九州市長「厚労省 対策班は全市的な広がりに注目」
北九州市の北橋市長は28日午後、厚生労働省のクラスター対策班の担当者と市内でおよそ20分間、意見を交わしました。
意見交換のあと、北橋市長はNHKの取材に対し、「濃厚接触者のPCR検査ではなく、
新しいところから患者が発生していて、その地点が全市的に広がっている点に対策班は大変注目している。
なぜ北九州市だけ、このような大量の陽性患者の確認になったのか、多くの方が衝撃を受けているし、
今後どうやって拡大を食い止めるかという段階で、専門家の立場からの調査・助言は大変心強い」と述べました。
北九州市民は…
新型コロナウイルスの感染確認が、北九州市内で続いていることについて、JR小倉駅前では市民から不安の声や
緊急事態宣言が解除され気の緩みがあったのではないかといった声が聞かれました。
このうち、門司区に住む60代の女性は「お店や学校が再開してから、急に感染者が出てきているので、
人混みに出るのが怖いです」と話していました。
また、小学生の子どもがいるという小倉北区の30代の母親は「学校が再開したばかりなのに、急に感染者が増えてきて、
これからどうなるのか不安です」と話していました。
門司区の30代の男性は「人の動きが増えたら感染者も増えるだろうなとイメージはしていたが、
思っていたよりも感染者の数が多いと感じます。マスクと手洗いで自衛することが大事だと思います」と話していました。
さらに、小倉北区の40代の女性は「第2波が来るかもしれないと思っていましたが、北九州市だけで感染者が
増えていることが驚きです。緊急事態宣言が解除され、気の緩みがあったのではないかと思います」と話していました。
専門家「いま一度、気を引き締めて対策を」
北九州市で新型コロナウイルスの感染者数が増えていることについて、感染症対策に詳しい東北医科薬科大学の
賀来満夫特任教授は「再流行は予想されていたが、国内でも実際に起こることが分かった。今回、北九州市で確認された
感染者の半分以上は詳しい感染経路が分かっていないということで、気付かないうちに広がるおそれもあり楽観はできない。
いま一度、気を引き締めて地域全体で対策を進めていく必要がある」と指摘しました。
そのうえで、賀来特任教授は「再流行は全国のどの地域、都市でも起こりうるので、感染リスクはゼロにならないということを
一人一人が強く自覚する必要がある。密閉、密接、密集、いわゆる『3つの密』を避け、人との接触を減らすなど
今後も、しばらくは緊急事態宣言が解除される前の生活を意識する必要がある」と話しています。
また、東京都内の感染者数が3日続けて10人を超えていることについて、「東京ではまだ感染の連鎖が続いていて、
完全に制御ができていない状態にあるのではないか。人口が多い東京は感染があっという間に広がるリスクがあるため、
社会生活を元に戻しながら感染を抑えることができるか、今後の推移が非常に重要だ」と話しています。