11月の米大統領選を前に、ソーシャルメディアを運営する米企業の間で、トランプ大統領やその支持者の言動への警戒が強まっている。動画配信サイト「ツイッチ」は29日、トランプ陣営の投稿内容にヘイト(憎悪)的な内容があるとして、アカウントを一時的に凍結したことを明らかにした。投稿サイト「レディット」も同日、トランプ氏の支持者が集まるフォーラムが規約違反を繰り返していたとして、閉鎖した。
アマゾン傘下のツイッチは取材に「憎悪的な行動は、ツイッチでは許されていない。その規約に沿って、トランプ大統領のチャンネルは一時的に停止になった」と説明した。規約違反と判断されたのは、2016年の大統領選に向けた集会で、トランプ氏がメキシコからの移民を「強姦(ごうかん)犯」などと表現した様子を映した動画などだ。
一方、レディットはこの日、トランプ氏の支持者らが集う投稿フォーラム「ザ・ドナルド」を閉鎖。ヘイトスピーチ対策の一環という。この日は、左派政治活動家の投稿が多いフォーラムなども閉鎖しており、レディットは「(是正する)あらゆる機会があったにもかかわらず、規約に従わなかったため」と説明している。
米国では、米ミネソタ州で白人警官が黒人男性を死なせた事件を機に人種差別への抗議運動が拡大。ソーシャルメディアでも憎悪的な言動や投稿への取り締まりが強まり、ツイッターはトランプ氏の投稿への警告を繰り返している。一方、トランプ氏の投稿に警告をつけていないフェイスブックに対しては批判が高まり、大手企業が相次いで広告を引き揚げている。(サンフランシスコ=尾形聡彦)
朝日新聞 2020年7月3日 11時00分
https://www.asahi.com/articles/ASN724FWZN6ZUHBI010.html?iref=comtop_8_02