7/3(金) 20:44配信
毎日新聞
ダム湖から上陸する水陸両用バス=群馬県長野原町川原湯で2020年7月3日午後2時31分、菊池陽南子撮影
群馬県長野原町などは3日、八ッ場ダム(同町)のダム湖で、水陸両用バスの自動運航に関する実証実験を世界で初めて実施すると発表した。日本財団の支援で2021年度末までに行われる無人運航船の実証実験の一つ。財団は25年までの実用化を目指しており、無人運航船が実現すれば船員不足の解消のほか、人為的ミスが原因の8割とされる海難事故の減少につながると期待される。
車の自動運転に関する実証実験は各地で行われているが、水上は陸上に比べて揺れが大きいためセンサーによる障害物の認識が難しく、船舶の自動運転の実用化には課題が多い。今回の実証実験は22年2〜3月、長野原町▽埼玉工業大▽IT企業「ITbookホールディングス」(東京都)――など五つの企業・団体で組織するコンソーシアム(共同事業体)で実施。日本財団が安全性の検証をする予定だ。
20年春に完成した八ッ場ダムでは、観光振興を目的に水陸両用バスが7月下旬に導入される。20年は11月までの利用が検討されており、それが終わる冬季に自動運転設備を設置する。
八ッ場ダムは計画浮上から完成まで68年かかり、工事が一時中断するなど紆余(うよ)曲折を経てきた経緯がある。萩原睦男町長はこの日の記者会見で「問題視されてきたダムをブランドに変えたい。町の新たなイメージを作っていければ」と実験への期待感を示した。
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