>>229 令和元年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(日下部伸三議員)
医学部の新設について
Q 日下部伸三 議員(自民)
私は、埼玉県における医学部の新設は国公立でないと意味がないと思っております。
埼玉県、栃木県、岩手県には国公立の医学部がございません。
厚労省が今年2月に発表した、より実態に即した新指標による医師偏在状況でも、
栃木県が29位、埼玉県が43位、岩手県が47位といずれも下位に位置しております。
埼玉県には埼玉医大がございますが、私立ですので入学から卒業までに3,700万円
の学費を要します。埼玉県の二人以上世帯の平均年収662万円では、子供が医者に
なりたいと言っても埼玉医大を卒業させるには厳しいものがございます。
一方、国公立の医学部では入学から卒業まで約350万円の学費で済みます。
年収662万円の世帯でも何とか頑張れると思います。
私が埼玉医大総合医療センターに勤務していたとき、極めて有能な整形外科の
助教授の先生が、「息子が医者になりたいと言い出したので、勤務医を辞めて
開業する」と言ってメスを置かれたことを鮮明に覚えております。
知事をはじめ執行部はよく埼玉県の医者の数は増えていると言いますが、
その一方で、子供を医者にするため、有能な外科医がメスを置いている事実
も知っていただきたいと思っております。
その息子さんは順天堂大学の医学部に行かれたのですが、私立の医学部で学費
が一番安いのが国際医療福祉大学の1,850万円、二番目に安いのが順天堂大学
ですが、それでも2,080万円かかります。
国の高等教育の教育費軽減新制度が導入されても、支援の対象となる学生は住民
税非課税世帯とそれに準ずる世帯の学生に限定され、6年間で最高額446万円の
減免ですから、埼玉医大の勤務医の年収では厳しいものがございます。
現在、埼玉県内の経済力がない世帯の医師志望者は、県外の国公立の医学部に
進学するしかありません。私の息子も他県の国公立の医学部に進学し、現在、
愛媛県で脳外科の専攻医をしておりますが、愛媛県の女医さんと結婚してしま
ったので、埼玉県には戻ってまいりません。
埼玉県に国公立の医学部がないために、親子が遠く離れ離れに暮らす運命に
なった日下部家の事情を踏まえて、保健医療部長に3点伺います。
埼玉県に国公立の医学部がない現状でよいと思っているのか否か。
国の施策に対する提案・要望の医学部の新設に括弧で国公立と付記すべきと
考えますが、いかがでしょうか。
医学部新設の許認可権は文部科学省にありますが、上田知事は3期と4年の
在任中に文部科学大臣に医学部新設の直談判に行ったことが1回もないと聞い
ておりますが、それに間違いがないか。以上、3点について御答弁ください。
https://www.pref.saitama.lg.jp/e1601/gikai-gaiyou/r0106/o011.html