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英、フランス・オランダからの入国者隔離へ 感染再拡大で
【ロンドン=中島裕介】英国のシャップス運輸相は13日、新型コロナウイルスの感染再拡大対策としてフランスやオランダ、マルタなどからの入国者に2週間の自己隔離を課すと表明した。英時間の15日早朝から実施する。英国からフランスへは毎年1千万ほどが観光に訪れており、関連産業には打撃となる。
シャップス氏はツイッターで、最近の新規感染者のデータから、フランスやオランダなどからの入国者の規制が必要と判断したことを明らかにした。隣国のフランスでは一時期3ケタ台まで抑え込んだ1日の新規感染者数が、経済再開やバカンスの影響で急増。直近では2500人以上に達し、英政府は規制強化が必要と判断した。
英国では7月上旬に飲食・宿泊業の営業が始まるなど経済が本格的に再開し、欧州各国への観光も動き始めていた。だが先に経済を再開した各国で感染が再拡大したため、英政府は7月下旬にスペイン、8月8日にはベルギーなどからの入国者に隔離を求めていた。特にフランスとスペインは、英国人にとっての二大観光地だ。3カ国の国内総生産(GDP)に占める観光産業の比率は10%前後と高く、経済への悪影響は免れない。
英メディアによると現在、数十万人の英国人がフランスを訪問中と見られ、15日午前4時(日本時間同日正午)の期限に向けて「帰国ラッシュ」が発生しそうだ。英国でもしばらく3ケタ台が続いていた1日あたりの新規感染者数が、1000人を超え始めており、感染が再拡大しつつある。
2020年8月14日 7:13 日経