トランプ米大統領は2018年11月のフランス訪問時、米国の駐仏大使公邸から美術品をホワイトハウスに持ち帰った。事情に詳しい関係者が述べた。トランプ氏が大使公邸に滞在したのは、米兵戦没者墓地への訪問を取りやめた後だった。
米誌アトランティックは3日、トランプ氏が戦死した米兵をおとしめる発言をしたと伝えたが、トランプ氏は戦没者を「負け犬」と呼んだなどとの報道を強く否定した。
約2年前の訪仏時、トランプ氏は悪天候を理由にパリ郊外にある戦没者墓地訪問を中止し、6時間ほど大使公邸に滞在。翌日に帰国する際、トランプ氏は、大使公邸にあった米建国の父の一人であるベンジャミン・フランクリンの胸像や肖像画、ギリシャの美術品を持ち帰ると主張したという。
説明を受けた関係者によると、マコート駐仏大使は驚いたが、反論はしなかった。トランプ氏はその後、自身の2期目が終了する6年後に美術品を返還すると述べたという。
関係者の1人によれば、約75万ドル(約8000万円)の価値のあるこれらの美術品は大統領専用機「エアフォースワン」に積み込まれた。
ホワイトハウスのディア報道官はブルームバーグ・ニュースの質問に対し、「大統領は米国民の所有に帰す素晴らしい歴史的美術品を米国に持ち帰った」とコメントした。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-09-07/QG8M4FDWX2PS01