英国のジョンソン首相が支持率低下に苦しんでいる。
昨年7月の就任後は12月の総選挙で与党・保守党を大勝に導き、今年1月に欧州連合(EU)離脱を果たすなど順調に見えたが、
新型コロナウイルスを巡る対応でつまずいた形だ。
6日にオンラインで行われた保守党の党大会。ジョンソン氏は3月に新型コロナに感染したことに触れ、
「私自身が患って魔法が解けたとか、ナンセンスな記事を多く読むが、たわ言だ」と、首相批判を繰り返す英メディアへのいらだちを口にした。
支持率は下落の一途をたどる。英世論調査会社ユーガブが実施した支持率調査では、厳しい外出規制が敷かれた4月中旬は支持が66%、
不支持が26%だったが、9月下旬は支持が35%、不支持が57%と逆転。不支持率は就任後、最悪となった。
ジョンソン氏を巡っては、最側近の上級顧問が外出禁止措置の出ていた3月下旬から4月中旬、
家族を連れて遠方に外出したことが5月に発覚。辞任要求が高まる中、首相は顧問をかばい、国民は「エリート層と一般人のルールは違うのか」と不満を爆発させた。
9月には英国内で感染者が再び急増し、政府はパブの午後10時閉店など様々な規制を導入したが、効果を疑問視する声は絶えない。
最近の1日あたりの新規感染者数は1万人を超え、「政府は拡大を抑えられていない」との認識が広がる。
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