東レは2日、2020年4〜9月期の連結純利益(国際会計基準)が前年同期比91%減の45億円になったようだと発表した。従来予想(65%減の180億円)から下振れする。航空機需要が落ち込み収益性が下がった米国の炭素繊維子会社で、工場をはじめ固定資産全般を対象に240億円の減損損失を計上する。
東レは炭素繊維の世界シェア5割弱を占め、米ボーイング社の中型機「787」向けを中心に供給している。6月に米子会社で従業員の25%程度の解雇を決めたほか、一部の工場で生産を休止していた。
一方、売上高にあたる売上収益は19%減の8561億円(従来予想は22%減の8300億円)、本業のもうけを示す事業利益は52%減の341億円(同65%減の250億円)といずれも上振れしたようだ。
中国経済の回復に伴い、家電に使うABS樹脂の販売が増えた。秋・冬物衣料用の繊維製品のほか、スマートフォン向けの有機EL材料などの出荷も想定を上回った。21年3月期通期の業績予想は精査中といい、11月6日の20年4〜9月期決算発表時に公表する予定だ
日本経済新聞 2020/11/2 20:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65762610S0A101C2DTA000/