きっかけは「もう少し静かにして」道路族との8年戦争、ついに法廷へ「悪魔のように誹謗中傷された」
2020年5月4日 9時25分
弁護士ドットコム
https://news.livedoor.com/article/detail/18213593/ ●あまりに常軌を逸した嫌がらせ
しばらくして嫌がらせはかなりひどくなった。
脅迫文を送りつけられる。
家の前で出会うと、睨みつけられる。
角谷さんの家の前で車やバイクのエンジンをわざとふかせた。
卑猥な言葉を投げかける。インターフォンに向かって威嚇する。
住人が玄関前に立っていて、外出できなかったこともある。
宅配便がやってくると、「何を買ったの? 夫が汗水たらして稼いだお金で、しょうもないもの買ったの?」と、大声で叫ばれる。
家の中にいる角谷さんの姿をカメラで撮影する。 あまりに常軌を逸していた。
(中略)
これらは、6世帯が中心になって行っており、断続的に続いていた。
角谷さんが記録していた相手側の行為は、A4用紙、10枚にもわたってびっしりと書かれ、2、3日に1回の割合で何らかの嫌がらせを続けていた。
これに抗して、玄関とガレージに防犯カメラをつけたが、カメラに映らないところで睨み、大声での嫌がらせも続けた。
(中略)
警察に相談するものの、迷惑行為は一向にやむことはなかった。
●裁判に…それでも止まない嫌がらせ
(中略)
さて、17年3月、角谷さん夫婦は、嫌がらせを実行した住民の1人を京都府警に告訴。
男性のつきまとい、威嚇行為等は、府迷惑行為防止条例違反容疑で、京都地検に書類送検され、
略式起訴で罰金30万円を課せられた。この男性は、やったことは認めたものの、警察側に「最高裁まで争ってやる」と毒づいたという。
それでもまだ嫌がらせは止まらない。記録からは男性3人が直接的な嫌がらせをし、4名が主導して角谷さんを監視していたことが分かった。
彼らはいずれも社会的にも信用ある職業についている人ばかり。
節度や常識が、彼らにはなぜ通じないのか。
道路族トラブルから「村八分」と「集団監視」がはじまった…「歪んだ正義感」に追い詰められた京都の夫婦
2020年6月7日 9時31分 弁護士ドットコム
https://news.livedoor.com/article/detail/18378732/ 8年ほど前から相談を受けてきた豊福弁護士が言う。
「角谷さんから相談を受けたとき、初めは信じられませんでした。
騒音問題はよくある近所トラブルなのですが、促されて角谷さんが撮影していた動画を観ると、
想像以上にひどい嫌がらせを受けている様子が分かりました。
玄関をのぞき込んで、因縁をつける極道者のように体を揺らせて立っている男性。
ひどい中傷の言葉もありました。いい大人がこんなに子どもじみたことをするものかと、
とにかくびっくりしたのです。
嫌がらせをされている角谷さん一家のためにも解決しなければいけないと思い、
とにかく証拠を集めるように言いました」
隣人からの嫌がらせがどんどんエスカレートしていく中、証拠もかなり集まり、
2017年3月、角谷さん夫妻は、京都府警に迷惑行為防止条例違反で、
嫌がらせの中心人物の男性を告訴した。
同条例の犯罪累計は痴漢や盗撮が大半だが、男性に対しては、つきまとい、威嚇行為等の容疑で告発。
その後、男性は書類送検され、略式起訴で罰金30万円を課せられた。
被告からなにかしら一言謝罪がくると思っていたが、まったくなかったという。
●「あそこの家からバカ笑いが聞こえた」と住民LINEで報告が
さらに同年11月には、角谷さんが居住するU字型の住宅地の中心部分に位置する住民10人を相手取って民事で提訴。
損害賠償を請求し、18年には第一回口頭弁論が行われた。
19年には賠償額を増額し、総額1332万円を請求している。
賠償額には、夫妻の入院、通院での治療費などのほか、精神的被害に対する慰謝料などが計上されている。
長い年月のトラブルだけに資料も膨大で、事実認否に時間がかかっている。
これまで被告側からの和解の申し出もなく、裁判での決着はついていない。
被告側の資料を見て、びっくりするような記述もあったという。
10人の被告を中心に近隣住民たちが、角谷宅を共同で始終監視している様子が克明に記されていたのだ。
「今、角谷家で馬鹿笑いが聞こえた」
「ナンバー××××の車が角谷宅前に止まっている」
などと、住民同士がグループLINEで逐一やり取りしていた。a