0001どこさ ★
2021/03/06(土) 16:16:01.55ID:SHocmkjf9マイナビ2021/03/05 19:29 略してます。詳しくはリンク先へ。
https://news.mynavi.jp/article/20210305-1777374/
東京工業大学(東工大)、神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)、奈良県立医科大学(奈良医大)の3者は3月4日、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対して高い不活化効果を示す複合酸化物を開発したと発表した。
(略)詳細は、オランダの科学誌「 Materials Letters」に掲載された。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0167577X21002068
(略)
この課題を検討する過程において、中島教授らはLMOのランタンの一部を同じ希土類であるセリウムに置き換えることで、Φ6に対する活性が高まることを発見。そこで中島教授らは今回、LMOのランタンをすべてセリウムに置換した複合酸化物の合成を試みたのである。
ランタンとは異なり、セリウムは複数の価数を持つことから、セリウムとモリブデンを含む複合酸化物では作製条件のわずかな違いでさまざまな結晶相が出現してしまうため、単層粉(単一結晶相からなる粉末)を得られにくいことが難点である。
そこで中島教授らは合成条件や出発材料を変更しながら、単層粉の作製実験を繰り返して適切な条件の探索を続けた。そして、高温高圧の熱水の存在下で行う化合物合成法である「水熱合成法」を用いることで、「モリブデン酸セリウム(γ-Ce2Mo3O13:CMO)」の単相粉の合成に成功したのである。
CMOについて、KISTECの石黒サブリーダーらがQβとΦ6に対する抗ウイルス活性評価およびタンパク質変性試験を実施し、また奈良医大の矢野教授らが新型コロナウイルスに対する抗ウイルス活性評価を実施。その結果、Φ6だけでなく、同じエンベロープ型のSARS-CoV-2に対しても高い抗ウイルス活性を発現することが見出されたのである。さらにLMOと同様に、MDCK細胞に対する毒性も少ないことが確認された。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対して高い不活化効果を示す複合酸化物
材料別のSARS-CoV-2の生存量の変化。グラフの縦軸はSARS-CoV-2の生存量を対数で表示されている。測定はISO規定のフィルム密着法が用いられた。ガラス上のウイルス量は変化しないが、LMOにCeを10%添加したLCMOはウイルス濃度が6時間で約1.5桁(約1/30)に低下する。CMO粉末では4時間でウイルス濃度は4桁以上(1/1万以下に)低下することが見て取れる。この活性はMoO3よりも高く、Ceと組み合わせることの効果が確認できる (出所:共同プレスリリースPDF)
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対して高い不活化効果を示す複合酸化物
上記の実験において、4時間の時点での(a)ガラスと、(b)CMOの違い。宿主細胞が正常に生きていると青色に染色されるが、ウイルスが存在すると宿主細胞が死滅し染色されないため、透明なプラークが形成される。ガラス上ではウイルスが存在し、大量のプラークが存在するが、CMOにはプラークがまったくなく、ウイルスが検出限界まで不活化していることが確認できる (出所:共同プレスリリースPDF)
CMOの抗ウイルス機構は完全に把握されたわけではないが、溶出したモリブデン酸イオンとともに、微量のセリウムイオンが関与していることが示唆されたという。
医療従事者のためのワクチン接種が2月から日本でも始まり、4月には高齢者向けにもスタートするが、もっと下の世代まで行き渡るにはまだしばらく時間がかかることが予想されている。このようにワクチンが普及するまではまだ時間がかかるため、その間、経済活動や社会活動を維持するためには、感染の予防や拡大抑制に関する技術が、治療法の確立やワクチンの開発と同様に重要だ。
今回の研究成果は、ワクチン頼みのSARS-CoV-2対策からのゲームチェンジとなる新たな道を開く可能性があるという。そして、それだけではなく、近年、日本において頻発している大規模自然災害による被災地での衛生環境確保の面においても、有効な技術となる可能性があるとしている。
LMOについてはすでに試作をスタートさせており、また今回開発したCMOについても速やかに試作を開始し、早急な実用化を目指すとしている。
関連
モリブデン酸セリウム(γ-Ce2Mo3O13:CMO)
https://www.naramed-u.ac.jp/university/kenkyu-sangakukan/oshirase/r2nendo/documents/hukugousankabutu.pdf