菅首相が“続投”へ意欲満々!「安倍&麻生連合」スリ寄りの密談政治
https://weekly-jitsuwa.jp/archives/20874
9月の衆院解散・総選挙が固まった。新型コロナウイルス対応で失策続きの菅義偉首相だが、コロナ禍という非常事態の下で「菅おろし」は起きず、このまま自ら選挙戦に臨もうと目論んでいる。だが、コロナのさらなる感染拡大や東京五輪中止といった事態になれば、情勢は一気に緊迫化する。それだけに、自民党内では安倍晋三前首相、二階俊博幹事長ら実力者を中心に、政局の主導権を巡る暗闘が激化してきた――。
中略
首相の表情は疲れており、精気がない。コロナ感染の爆発的拡大を止められず、頼みのワクチンは供給が遅れ、予約殺到による混乱も全国各地で起きた。目に力はなく、首相が開催に命運を懸ける東京五輪は中止の崖っぷちに追い込まれるなど、いよいよ政権末期かと見まがうような状況だ。
だが、自民党内であからさまな「菅おろし」は起きず、政権交代の受け皿として国民から期待されていない立憲民主党にも倒閣姿勢を強める動きは見られない。
菅首相は4月23日、緊急事態宣言の再々発令を決定した後の記者会見で、10月21日に任期満了を迎える衆院の解散について「私の(9月末までの)自民党総裁任期の中で、機会を見て考えなければならない」と明言した。
コロナを抑え込み、東京五輪を成功させない限り、首相の退陣は不可避というのが永田町の共通認識となっている中、首相の発言は、衆院選に先立つ党総裁選を拒否し、自らが解散を断行する意向を表明したと受け止められた。
かつての自民党なら、政権が低迷を続ける中でこうした発言をすれば、批判や反発が吹き出したものだ。だが、この発言から1カ月。コロナと東京五輪を巡る状況はさらに悪化し、内閣支持率も一部世論調査で40%を割り込み急落しているにもかかわらず、永田町は驚くほど静かなのだ。
自民党関係者が事情を読み解く。
「非常時に政局は御法度ということもあるが、それ以上に自民党の人材不足と派閥の弱体化が顕著になったことが大きい。結局のところ、『ポスト菅』が見当たらないんです。野党は野党で内閣不信任決議案の提出をためらっているので、菅政権は『奇妙な安定』状態に入っている」
安倍サイドが要求する幹事長ポスト
この状況を見越し、いち早く政局の主導権を握ろうとしているのが安倍前首相と、盟友である麻生太郎副総理兼財務相の安倍・麻生連合≠セ。
「当然、職を続けるべきだ。総裁選は去年行ったばかり。1年後にまた総裁を代えるのか。自民党員であれば常識を持って考えるべきだ」
安倍前首相がこう語り、菅首相支持を明確にしたのは、5月3日に放送された民放のBS番組において。
安倍前首相は菅首相に対し「私が辞めざるを得なかった後、準備もできず大変だったと思うが、よくやってくれている。夏の東京五輪までは首相を支持する」と言い続けてきた。
今回はさらに踏み込み、選挙戦は菅首相で戦うと宣言したのだ。
これには伏線がある。首相は3月29日、わざわざ衆院議員会館の安倍前首相の事務所を訪ね、2人だけで1時間近くも会談した。
関係者によると、首相は自身の総裁任期中に衆院解散をしたいとの考えを打ち明けた。「その後はどうするの」と安倍前首相が聞くと、「また相談させてもらいます」と答えたという。
首相が解散の手の内を安倍前首相に明かしたということは、自身への支持要請に他ならない。安倍前首相の言う「その後」とは選挙後のことだ。
つまり、「人事はどうするのか」と聞いており、首相は「相談する」と答えた。続投支持を条件に、主要人事では安倍前首相の意向に逆らわない、と暗に伝えたわけだ。
菅政権は二階幹事長の後押しで誕生したと言っていい。しかし、安倍前首相の出身派閥で党内最大の細田派と、第2派閥の麻生派の支持を得なければ、続投はおぼつかないことを首相も分かっていた。このタイミングで二階幹事長から安倍・麻生連合に軸足を移したのだ。
中略
漏れ伝わる話を総合すると、幹事長には細田派の松野博一事務総長か萩生田光一文部科学相のどちらかが就任。麻生氏は財務相を退き、後任に岸田文雄前自民党政調会長を充て、「ポスト菅」の芽を残す一方で、麻生・岸田両派による「大宏池会」構想を進める。官房長官には首相に近い梶山弘志経済産業相を横滑りさせる案が出ているという。
前出の細田派幹部は「首相が衆院選に勝てば、総裁選は無投票再選だ。二階幹事長は副総裁に祭り上げとなり、衆院議長は額賀福志郎元財務相の線で進むだろう。ポスト菅は、岸田さんと河野太郎行革担当相が争うことになるのではないか」と予言した。…
続きはソース参照
https://weekly-jitsuwa.jp/archives/20874
9月の衆院解散・総選挙が固まった。新型コロナウイルス対応で失策続きの菅義偉首相だが、コロナ禍という非常事態の下で「菅おろし」は起きず、このまま自ら選挙戦に臨もうと目論んでいる。だが、コロナのさらなる感染拡大や東京五輪中止といった事態になれば、情勢は一気に緊迫化する。それだけに、自民党内では安倍晋三前首相、二階俊博幹事長ら実力者を中心に、政局の主導権を巡る暗闘が激化してきた――。
中略
首相の表情は疲れており、精気がない。コロナ感染の爆発的拡大を止められず、頼みのワクチンは供給が遅れ、予約殺到による混乱も全国各地で起きた。目に力はなく、首相が開催に命運を懸ける東京五輪は中止の崖っぷちに追い込まれるなど、いよいよ政権末期かと見まがうような状況だ。
だが、自民党内であからさまな「菅おろし」は起きず、政権交代の受け皿として国民から期待されていない立憲民主党にも倒閣姿勢を強める動きは見られない。
菅首相は4月23日、緊急事態宣言の再々発令を決定した後の記者会見で、10月21日に任期満了を迎える衆院の解散について「私の(9月末までの)自民党総裁任期の中で、機会を見て考えなければならない」と明言した。
コロナを抑え込み、東京五輪を成功させない限り、首相の退陣は不可避というのが永田町の共通認識となっている中、首相の発言は、衆院選に先立つ党総裁選を拒否し、自らが解散を断行する意向を表明したと受け止められた。
かつての自民党なら、政権が低迷を続ける中でこうした発言をすれば、批判や反発が吹き出したものだ。だが、この発言から1カ月。コロナと東京五輪を巡る状況はさらに悪化し、内閣支持率も一部世論調査で40%を割り込み急落しているにもかかわらず、永田町は驚くほど静かなのだ。
自民党関係者が事情を読み解く。
「非常時に政局は御法度ということもあるが、それ以上に自民党の人材不足と派閥の弱体化が顕著になったことが大きい。結局のところ、『ポスト菅』が見当たらないんです。野党は野党で内閣不信任決議案の提出をためらっているので、菅政権は『奇妙な安定』状態に入っている」
安倍サイドが要求する幹事長ポスト
この状況を見越し、いち早く政局の主導権を握ろうとしているのが安倍前首相と、盟友である麻生太郎副総理兼財務相の安倍・麻生連合≠セ。
「当然、職を続けるべきだ。総裁選は去年行ったばかり。1年後にまた総裁を代えるのか。自民党員であれば常識を持って考えるべきだ」
安倍前首相がこう語り、菅首相支持を明確にしたのは、5月3日に放送された民放のBS番組において。
安倍前首相は菅首相に対し「私が辞めざるを得なかった後、準備もできず大変だったと思うが、よくやってくれている。夏の東京五輪までは首相を支持する」と言い続けてきた。
今回はさらに踏み込み、選挙戦は菅首相で戦うと宣言したのだ。
これには伏線がある。首相は3月29日、わざわざ衆院議員会館の安倍前首相の事務所を訪ね、2人だけで1時間近くも会談した。
関係者によると、首相は自身の総裁任期中に衆院解散をしたいとの考えを打ち明けた。「その後はどうするの」と安倍前首相が聞くと、「また相談させてもらいます」と答えたという。
首相が解散の手の内を安倍前首相に明かしたということは、自身への支持要請に他ならない。安倍前首相の言う「その後」とは選挙後のことだ。
つまり、「人事はどうするのか」と聞いており、首相は「相談する」と答えた。続投支持を条件に、主要人事では安倍前首相の意向に逆らわない、と暗に伝えたわけだ。
菅政権は二階幹事長の後押しで誕生したと言っていい。しかし、安倍前首相の出身派閥で党内最大の細田派と、第2派閥の麻生派の支持を得なければ、続投はおぼつかないことを首相も分かっていた。このタイミングで二階幹事長から安倍・麻生連合に軸足を移したのだ。
中略
漏れ伝わる話を総合すると、幹事長には細田派の松野博一事務総長か萩生田光一文部科学相のどちらかが就任。麻生氏は財務相を退き、後任に岸田文雄前自民党政調会長を充て、「ポスト菅」の芽を残す一方で、麻生・岸田両派による「大宏池会」構想を進める。官房長官には首相に近い梶山弘志経済産業相を横滑りさせる案が出ているという。
前出の細田派幹部は「首相が衆院選に勝てば、総裁選は無投票再選だ。二階幹事長は副総裁に祭り上げとなり、衆院議長は額賀福志郎元財務相の線で進むだろう。ポスト菅は、岸田さんと河野太郎行革担当相が争うことになるのではないか」と予言した。…
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