6月4日の定例会見で、小池百合子都知事のドヤ顔を久しぶりに拝見した。
手には「カエル」のイラストが描かれた「8時にはみんなかえる」のフリップ。この1年間、繰り返されてきたフリップ芸には辟易させられたが、今回はこれまでにも増してブーイングの嵐が巻き起こった。会見直後からネットが大喜利状態になったのは周知の通りである。ドヤ顔に泥を塗られた小池知事にとっては最悪の結果となった。
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しかし、これこそ自業自得というものである。その理由を知事の近くで業務に当たる都庁幹部職員がこっそり明かしてくれた。
「知事は『8時だョ!』に固執していました。頭の中はドリフでいっぱいだったようです。『このフレーズ、気が利いてるでしょ』といった、いつもの軽いノリです。会見では『8時だョ!』と何度も口走っていました。フリップには『8時には』と書いているのに、ですよ」
そもそも、時短要請は午後9時までのはずだ。ましてや映画館などにしてみれば、宣言再延長でやっと午後9時までの営業が許された途端、「ハイ8時で帰ろう」とは、エアコンの冷房と暖房を同時に入れるようなものである。
当初、小池知事のごり押しもあって「8時だョ!」に決まりかけていたが、都庁幹部もさすがにヤバいと思ったのだろう、なんとか粘って「だョ」を「には」に変更させたというのが事の真相である。どうせなら矛盾だらけの8時帰宅要請自体を葬り去ってほしかったが、今の都庁幹部にそこまで肝の座った人間はいないのが残念である。
■都庁45階の展望室を接種会場にと唐突に言い出す
ドリフ騒動に限らず、最近の小池知事はとんと精彩に欠ける。
ワクチンの大規模接種会場の右往左往に始まり、五輪のパブリックビューイング(PV)会場を巡っては、他県がいち早く中止を決定する中、どっちつかずの態度をとり続けている。挙げ句の果ては、「東京都、中止を検討」の一部報道に噛みついて報道機関に抗議文を送りつける始末である。
またかと思った。1カ月半前のカンニング竹山氏の一件を思い出す過剰反応だ。あの時もバラエティー番組で事実と異なる数字を口にした竹山氏に激怒した知事サイドが、間髪入れずに芸能事務所とテレビ局に抗議文を送付した。やることなすこと、度量の小ささを露呈する反応ばかりである。
そうかと思えば、今度は都庁第一本庁舎の展望室をワクチン接種会場とすると唐突に言い出した。小池知事お得意の思いつき芸だ。展望室は45階、専用のエレベーターで上らなければならない。密にならないのか、それに、接種後にエレベーターに乗って気圧の急変を感じても大丈夫なのか、心配である。
都庁の1階は人工地盤の下に位置していて、雨をしのげる広いスペースがある。屋外でよければ、都議会議事堂の前には都民広場が広がっている。ワクチン接種のために、わざわざエレベーターを使って45階まで人間を運ぶ必然性がどこにあるのか。結局、すべては小池知事のための話題づくりだと言わざるをえない。
前出の都庁幹部は最後にこう付け加えた。
「普段使っている一般のエレベーターも十分に密ですよ。だって、出勤7割減、テレワーク推進といっても、実際は多くの職員が出勤しています。午前中は自宅で仕事、昼休みの時間を使って出勤、午後は遅くまで都庁で勤務なんてことはざらです。いわゆる、なんちゃってテレワークは常態化しています」
今日もまた、都庁には午後8時を過ぎても煌々と明かりが灯ったままだ。「8時だョ!全員残業中」とは皮肉なことである。
6/14(月) 9:06
https://news.yahoo.co.jp/articles/005e48f28e59990eab5c368d4dcff8a685d4174f