新型コロナウイルスのワクチンを接種した人の血液中にできる抗体(免疫)は、ウイルスに感染した人の抗体に比べ、
変異ウイルスへの効果が高い可能性があるとする研究成果を、米国の研究チームが発表した。
論文が米医学誌に掲載された。
米フレッド・ハッチンソンがん研究センターなどによるチームは、新型コロナウイルスの表面にあるたんぱく質を、
人工的に少しずつ形を変えて3000種以上用意。
米モデルナ製ワクチンを2回接種した人と、ウイルスに感染した人の血液を集め、これらのたんぱく質に抗体がどれだけ反応するかを調べた。
その結果、ワクチン接種を受けた人の抗体の方が、多くの種類のたんぱく質に反応して免疫が働いていることがわかったという。
実験で使ったモデルナ製のワクチンは、体内でウイルス表面のたんぱく質を作る遺伝物質(メッセンジャーRNA)を主成分にしている。
米ファイザー製も同じタイプだ。
石井健・東京大教授(ワクチン科学)の話「ワクチンはウイルスが人の細胞に感染するのに重要な部位を狙い撃ちにするので、
効果が高いとみられる。一度感染した人にも接種を広げることが重要だ」
https://www.yomiuri.co.jp/science/20210625-OYT1T50284/