労働人口の減少に伴い、政府が目指す2040年の経済成長を達成するには、これから約670万人の外国人の力が必要(JICA試算)ともいわれる日本。その受け入れのためのハードルの一つに、“お墓問題”がある。
■「飲料水や農業用水の汚染を懸念」
20年前にパキスタンから来日、現在は大分県別府市で暮らす「別府ムスリム協会」カーンさんは、日本文化に惹かれ日本国籍を取得。家族ともども、日本で最期を迎えたいと考えている。
カーンさんが信仰するイスラム教では火葬を固く禁じているため、仲間たちと土葬のできる土地を10年にわたって探し購入した。ところが、地元住民の反対を受け、1.5km離れた場所に候補地を移したが、そこでも猛反対に遭ってしまう。
カーンさんによると、住民たちは土葬によって飲料水や農業用水の汚染を懸念しているといい、候補地のある日出町も、衛生面での問題はないとしつつも、住民の不安が大きいとの反対意見を議会で採択した。「私はずっと日本に住んでいるから、日本の良さもよく分かっているけれど、他の外国人は心が痛いと思う」(カーンさん)。
■「大災害が起きたら、もうパンクだ」
日本の法律は土葬を禁じてはいないが、埋葬ルールは自治体や墓地によって異なっている。ただ、99%が火葬されている日本では他の埋葬方法への理解は進んでおらず、約23万人がいると推計されているムスリム(イスラム教徒)に対し、墓地は全国に9カ所のみというのが現状なのだ。
マレーシアから来日して14年、大阪で暮らしているゾルカナインさんによれば、関西地方にある土葬墓地は和歌山県に1カ所のみで、既に底をつきはじめているという。「もし大災害が起きて200人くらい死んだとしたら、もうパンクだ。教会の空き地を一時的に借りて、いったん埋めるしかない。でも、安らかに眠る場所じゃない」。
ゾルカナインさんによると、イスラム教国であるマレーシアでは、仏教徒やキリスト教徒の火葬を認めているところもあるのだという。
「宗教は強制であってはならないというのがイスラムの教えだ。信仰の自由があるので、火葬を希望される方のための場所もある。ただ、日本の常識は火葬だし、そこに対してイスラムという教えをきちんと伝えていない僕たちの問題でもあると思う。これから話し合いが必要かなと思っている」。
■「弔い方にも“足し算の論理”を」
ブラジル国籍のアンジェロ・イシ武蔵大学教授は「人間というのは国籍や出身に関係なく、幸せに生きることを求める権利があるはずだ。最期についても、できるだけ尊厳のある形で死ぬ、そして葬られる権利があるはずだ。お墓の問題に限らず、日本の市民の間では、外国から来た人たちの生き方とか文化とかこだわりに対する無理解、無関心、情報不足があって、不要な不安、恐怖心を抱いてしまっていることもある」と指摘する。
「色んな国の人たちが日本で共生していくためには、“足し算の論理”が必要だ。つまり、“火葬か、土葬か”という二項対立、二者択一ではなく、火葬がスタンダードなのであれば、そのままでいい。ただし、日本にやってきた外国人も“郷に入れば郷に従え”で葬られるべきではないということだ。例えば外国人が多く住んでいるような地域には、1カ所でもいいから、希望する形の営みができるように配慮するという“足し算”を行うことが建設的だと思う。
(中略)
■「日本は“生きづらく、死にづらい”国」
さらにイシ教授は、日本は“生きづらく、死にづらい”国、とも話す。
(中略)
イスラム教徒は外国人だけではない。結婚などを機に改宗する日本人もいるからだ。ある女性は取材に対し「まだ26歳だが、コロナで20代の方が亡くなるケースもあるので、できるだけ早くお墓の問題を解決してほしい」、別の女性も「お墓参りに行くことはあるが、私はそこには入れない。お墓がないのは怖い」と不安を口にしていた。
2/10(木) 9:38配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/bd731f78327229265cd430ea3f0b15ad31103798
★1:2022/02/13(日) 19:52:43.20
http://2chb.net/r/newsplus/1644754999/
■「飲料水や農業用水の汚染を懸念」
20年前にパキスタンから来日、現在は大分県別府市で暮らす「別府ムスリム協会」カーンさんは、日本文化に惹かれ日本国籍を取得。家族ともども、日本で最期を迎えたいと考えている。
カーンさんが信仰するイスラム教では火葬を固く禁じているため、仲間たちと土葬のできる土地を10年にわたって探し購入した。ところが、地元住民の反対を受け、1.5km離れた場所に候補地を移したが、そこでも猛反対に遭ってしまう。
カーンさんによると、住民たちは土葬によって飲料水や農業用水の汚染を懸念しているといい、候補地のある日出町も、衛生面での問題はないとしつつも、住民の不安が大きいとの反対意見を議会で採択した。「私はずっと日本に住んでいるから、日本の良さもよく分かっているけれど、他の外国人は心が痛いと思う」(カーンさん)。
■「大災害が起きたら、もうパンクだ」
日本の法律は土葬を禁じてはいないが、埋葬ルールは自治体や墓地によって異なっている。ただ、99%が火葬されている日本では他の埋葬方法への理解は進んでおらず、約23万人がいると推計されているムスリム(イスラム教徒)に対し、墓地は全国に9カ所のみというのが現状なのだ。
マレーシアから来日して14年、大阪で暮らしているゾルカナインさんによれば、関西地方にある土葬墓地は和歌山県に1カ所のみで、既に底をつきはじめているという。「もし大災害が起きて200人くらい死んだとしたら、もうパンクだ。教会の空き地を一時的に借りて、いったん埋めるしかない。でも、安らかに眠る場所じゃない」。
ゾルカナインさんによると、イスラム教国であるマレーシアでは、仏教徒やキリスト教徒の火葬を認めているところもあるのだという。
「宗教は強制であってはならないというのがイスラムの教えだ。信仰の自由があるので、火葬を希望される方のための場所もある。ただ、日本の常識は火葬だし、そこに対してイスラムという教えをきちんと伝えていない僕たちの問題でもあると思う。これから話し合いが必要かなと思っている」。
■「弔い方にも“足し算の論理”を」
ブラジル国籍のアンジェロ・イシ武蔵大学教授は「人間というのは国籍や出身に関係なく、幸せに生きることを求める権利があるはずだ。最期についても、できるだけ尊厳のある形で死ぬ、そして葬られる権利があるはずだ。お墓の問題に限らず、日本の市民の間では、外国から来た人たちの生き方とか文化とかこだわりに対する無理解、無関心、情報不足があって、不要な不安、恐怖心を抱いてしまっていることもある」と指摘する。
「色んな国の人たちが日本で共生していくためには、“足し算の論理”が必要だ。つまり、“火葬か、土葬か”という二項対立、二者択一ではなく、火葬がスタンダードなのであれば、そのままでいい。ただし、日本にやってきた外国人も“郷に入れば郷に従え”で葬られるべきではないということだ。例えば外国人が多く住んでいるような地域には、1カ所でもいいから、希望する形の営みができるように配慮するという“足し算”を行うことが建設的だと思う。
(中略)
■「日本は“生きづらく、死にづらい”国」
さらにイシ教授は、日本は“生きづらく、死にづらい”国、とも話す。
(中略)
イスラム教徒は外国人だけではない。結婚などを機に改宗する日本人もいるからだ。ある女性は取材に対し「まだ26歳だが、コロナで20代の方が亡くなるケースもあるので、できるだけ早くお墓の問題を解決してほしい」、別の女性も「お墓参りに行くことはあるが、私はそこには入れない。お墓がないのは怖い」と不安を口にしていた。
2/10(木) 9:38配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/bd731f78327229265cd430ea3f0b15ad31103798
★1:2022/02/13(日) 19:52:43.20
http://2chb.net/r/newsplus/1644754999/