馬毛島基地計画 騒音や生態系 影響予測に不信の声 防衛省「建設後も調査」 給電 海底ケーブルで 初のアセス準備書説明会 鹿児島・西之表
鹿児島県西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)と自衛隊基地整備計画を巡り、九州防衛局熊本防衛支局は10日、事業に伴う環境影響評価(アセスメント)の準備書に関する初の説明会を同市民会館で開いた。計画に反対する市民の発言が目立ち、航空機騒音や生態系の影響予測に対する不信の声が噴出した。防衛省側は基地建設後の調査、監視を基に対応するとした。
市民ら約110人が出席した。同省は米軍機が種子島上空を飛行する可能性を問われ、「まれにあるかもしれない。モニタリングして対応する」と回答。基地建設後も環境の状態を調べ、報告書を年1回公表する方針を示した。基地への給電は種子島から海底ケーブルで引く予定とした。
説明会では約45分かけ、同省が予測調査の結果や環境保全措置の概要を報告した。その後の質疑は終了予定を40分超え、2時間近くに及んだ。計画反対派が「答えになっていない」と不満をぶつけた一方、賛成派からはこまめな情報提供を求める意見などが出た。
計画に賛成する市商工会の50代男性は「基地建設後も予測調査の通りにいくのか不安はあるが、国を信じるしかない」。反対する70代の無職男性は「市民の疑問点に正面から答える説明はなかった。法律通りに手順を進めているだけと感じた」と話した。
大平和男副市長も出席。終了後、「防衛省がどう説明するか、市民からどんな意見が出るかを聞きに来た」と述べるにとどめた。説明会は同市のほか、11~17日に中種子、南種子、南大隅、屋久島の4町である。
アセス準備書は19日まで県庁や西之表市役所など県内9カ所と、九州防衛局のホームページで縦覧できる。6月2日まで誰でも意見書を熊本防衛支局に提出できる。同支局=096(368)217x。
南日本新聞 2022/05/11 07:30
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