岸田首相はゴールデンウィークにアジアと欧州を歴訪し、最後の訪問先に英国を選んだ。
5日には、ロンドンの金融街「シティー」のギルドホールと呼ばれる市庁舎で講演を行い、
「私からのメッセージは1つだ。日本経済はこれからも力強く成長を続ける。安心して日本に投資をしてほしい。インベスト・イン・キシダだ」とアピールした。
その後、6カ国歴訪の成果について、「平和を守る、との目的で訪問し確かな成果を得たと手応えを感じている」と評価。
「いずれの首脳とも本音で大変有意義な議論ができた」「力による一方的な現状変更はいかなる場所でも許されないという共通認識を得られた」と自画自賛している。
しかし、現地主要メディアがこの発言を取り上げることはほとんどなかった。
日本のように予定調和の記事は出さないという英国メディア特有の慣習もあるが、関心事はもっと別のことにあったからだ。
(中略)
このように、米英首脳がいま各国に求めていることは、ひとえに「ロシアをどう叩くか」に尽きる。
そんな局面で、岸田首相はG7としての自国の役割は脇に置き、「岸田に投資を!」と訴えたわけだ。
ウクライナに攻め込むロシアに対し、日本は地政学的に一定のリスクを抱えている国のはずだが、自国経済のアピールに終始する様子は「近隣国なのに日本は平和ボケしすぎ」とみられてしまっている。
英国主要メディアが「岸田に投資を!」という言葉を軒並み無視したことからしても、その温度差は大きい。
筆者は英国に住んで15年になるが、今ほど戦争の脅威を身近に感じる日々はない。
日本の国際的なプレゼンスが弱まっていることが指摘される状況で、最もアピールしなければならなかったのは自国の利益ではなく、ロシアとどう対峙するかの姿勢ではなかったか。
同じ日本人として恥ずかしくなってしまう。
詳細はこちら
https://president.jp/articles/-/57806?page=1
5日には、ロンドンの金融街「シティー」のギルドホールと呼ばれる市庁舎で講演を行い、
「私からのメッセージは1つだ。日本経済はこれからも力強く成長を続ける。安心して日本に投資をしてほしい。インベスト・イン・キシダだ」とアピールした。
その後、6カ国歴訪の成果について、「平和を守る、との目的で訪問し確かな成果を得たと手応えを感じている」と評価。
「いずれの首脳とも本音で大変有意義な議論ができた」「力による一方的な現状変更はいかなる場所でも許されないという共通認識を得られた」と自画自賛している。
しかし、現地主要メディアがこの発言を取り上げることはほとんどなかった。
日本のように予定調和の記事は出さないという英国メディア特有の慣習もあるが、関心事はもっと別のことにあったからだ。
(中略)
このように、米英首脳がいま各国に求めていることは、ひとえに「ロシアをどう叩くか」に尽きる。
そんな局面で、岸田首相はG7としての自国の役割は脇に置き、「岸田に投資を!」と訴えたわけだ。
ウクライナに攻め込むロシアに対し、日本は地政学的に一定のリスクを抱えている国のはずだが、自国経済のアピールに終始する様子は「近隣国なのに日本は平和ボケしすぎ」とみられてしまっている。
英国主要メディアが「岸田に投資を!」という言葉を軒並み無視したことからしても、その温度差は大きい。
筆者は英国に住んで15年になるが、今ほど戦争の脅威を身近に感じる日々はない。
日本の国際的なプレゼンスが弱まっていることが指摘される状況で、最もアピールしなければならなかったのは自国の利益ではなく、ロシアとどう対峙するかの姿勢ではなかったか。
同じ日本人として恥ずかしくなってしまう。
詳細はこちら
https://president.jp/articles/-/57806?page=1