岸田文雄首相は27日、首相官邸でインドネシアのジョコ大統領と会談した。首相は
共同記者発表で、ジョコ氏からインドネシアで一部に残っていた日本産食品の輸入
規制を完全に撤廃したとの説明があったと明かした。ジョコ氏は日本企業による
投資拡大に期待を示した。
両首脳は11月にインドネシアで開く20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)の
成功に向けて協力すると確認した。ジョコ氏は共同記者発表で「G20が国際的な経済
危機からの回復に寄与していきたい」と主張した。「日本と優先アジェンダを常に
調整していきたい」と語った。
日本とインドネシアの経済連携協定(EPA)に関し「G20サミットで改正議定書に
署名することで一致した」とも表明した。インドネシア産のマグロやパイナップル
バナナに日本が課す関税の軽減・撤廃を要望したと説明した。
首相は「G20サミットの成功に向け引き続きインドネシアを支え緊密に連携して
いく」と述べた。インドネシアでの水力発電所の完成に向けた436億円程度の円
借款を供与すると伝えた。
両首脳の正式な会談は4月にインドネシアで会って以来となる。両首脳は自由で
開かれたインド太平洋の実現へ連携すると確かめた。海上保安や安全保障を巡り
協力を深めると合意した。
日本からインドネシアへの巡視船供与に関する覚書の署名を歓迎した。陸上自衛隊は
8月にインドネシアで実施される多国間の共同訓練に初めて参加する。会談ではイン
フラや気候変動、エネルギー、防災など幅広い分野での連携強化も話し合った。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA272J30X20C22A7000000/