阪神・淡路大震災などの被災者の精神的なケアに尽力し、文筆家としても多くの業績を残した精神科医で神戸大名誉教授、文化功労者の中井久夫(なかい・ひさお)氏が8日午前11時5分、肺炎のため神戸市の介護施設で死去した。88歳。奈良県出身。自宅は神戸市。
葬儀・告別式は近親者で行い、供花、弔電は辞退する。喪主は長男伸一(しんいち)氏。
京都大卒。東京大などを経て1980年、神戸大医学部教授に。統合失調症研究の第一人者で、先駆的な診療法で高く評価された。
95年の阪神・淡路大震災では、被災者の心のケアの必要性を早くから訴え、支援体制の構築や支援者の育成に注力。2004年に心的外傷後ストレス障害(PTSD)の研究や治療、相談などに当たる全国初の施設「兵庫県こころのケアセンター」が開設され、初代センター長に就任した。
1997年に神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件の遺族らとも関わり、犯罪や災害の被害者らの心理的な回復を支える「ひょうご被害者支援センター」理事長として活動。甲南大教授も務めた。
90年から2012年まで本紙でコラム「清陰星雨」を執筆。歴史や文化を巡る高い見識に基づき、政治や戦争をはじめとする幅広いテーマに深い洞察を示し、無名の人々に温かいまなざしを向けた文章は多くの人の共感を呼んだ。
阪神・淡路の直後の医療現場や患者らの苦難をつづった「災害がほんとうに襲った時」や「中井久夫著作集」など著書多数。米国の精神科医サリヴァンやフランスの詩人ヴァレリーの訳書、ギリシャ文学の翻訳も手がけた。
著書「家族の深淵」で毎日出版文化賞。01年兵庫県社会賞。13年文化功労者。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202208/sp/0015540450.shtml
葬儀・告別式は近親者で行い、供花、弔電は辞退する。喪主は長男伸一(しんいち)氏。
京都大卒。東京大などを経て1980年、神戸大医学部教授に。統合失調症研究の第一人者で、先駆的な診療法で高く評価された。
95年の阪神・淡路大震災では、被災者の心のケアの必要性を早くから訴え、支援体制の構築や支援者の育成に注力。2004年に心的外傷後ストレス障害(PTSD)の研究や治療、相談などに当たる全国初の施設「兵庫県こころのケアセンター」が開設され、初代センター長に就任した。
1997年に神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件の遺族らとも関わり、犯罪や災害の被害者らの心理的な回復を支える「ひょうご被害者支援センター」理事長として活動。甲南大教授も務めた。
90年から2012年まで本紙でコラム「清陰星雨」を執筆。歴史や文化を巡る高い見識に基づき、政治や戦争をはじめとする幅広いテーマに深い洞察を示し、無名の人々に温かいまなざしを向けた文章は多くの人の共感を呼んだ。
阪神・淡路の直後の医療現場や患者らの苦難をつづった「災害がほんとうに襲った時」や「中井久夫著作集」など著書多数。米国の精神科医サリヴァンやフランスの詩人ヴァレリーの訳書、ギリシャ文学の翻訳も手がけた。
著書「家族の深淵」で毎日出版文化賞。01年兵庫県社会賞。13年文化功労者。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202208/sp/0015540450.shtml