75歳以上が入る後期高齢者医療で、厚生労働省は高所得者の保険料の年間上限額を現行の66万円から80万円程度に引き上げる方向で調整に入った。実施されれば過去最大の引き上げ幅となる。あわせて中所得者の保険料の引き上げも検討しており、負担増となるのは全体の4割ほどに広がる可能性がある。
社会保障審議会(厚労相の諮問機関)で議論した上で、2024年度からの実施を目指す。ただ、今後の調整次第で金額などが変わる可能性もある。
08年度に始まった後期高齢者医療制度では、これまでも保険料の上限額が段階的に引き上げられてきた。ただ、一度の上げ幅は最大でも5万円だった。
今回、大幅な引き上げを検討する背景には、高齢者の医療費を支える現役世代の負担増を抑える狙いがある。年齢ではなく支払い能力に応じた負担へと制度を見直すことで、世代間の負担の公平性も確保したい考えだ。
現行の仕組みでは、年間66万円の上限額によって、年金収入なら約888万円を超す高所得者は負担が抑えられている。
朝日新聞 2022/11/16 6:00
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