【ホノルル=共同】ハワイ・オアフ島南部の東西を結ぶ高架鉄道「スカイライン」の一部区間(約17キロ)が6月30日に開業し、現地で記念式典が開かれた。米国で初めて自動運転システムを採用。今後は段階的に営業区間を拡大、ホノルル国際空港やホノルル市庁舎周辺をつなぐ計画で、観光客の利便性向上や交通渋滞の緩和が期待される。
事業主体のホノルル高速鉄道輸送機構(HART)などによると、オアフ島で本格的な旅客鉄道が運行されるのは1947年に当時の鉄道が廃止されて以来、約76年ぶり。ホノルル市のブランジャルディ市長は、高架鉄道開業は「歴史的」だと強調し、「ハワイに大きな変化をもたらす時代の始まりだ」と述べた。
スカイラインは真珠湾西方のイースト・カポレイ駅と市庁舎近くのシビックセンター駅との全19駅、約30キロを約40分で結ぶ計画。2014年に着工し、これまでに約6割の建設が完了した。30日に開業したのはこのうち9駅の区間で、25年夏に空港を含む第2区間で運行を開始し、31年に全面開業を目指している。
日立製作所グループの日立レールが車両製造や信号・通信システム、12年間の運営、メンテナンスを担い、20編成計80両を納入。1編成の輸送人員は最大800人で、市営バス10台分の輸送能力となる。サーフボードを載せることも可能だ。
一方、事業費は当初の想定から倍以上にふくらみ、開業時期は大幅に遅れた。日本人観光客にも人気の商業施設アラモアナセンターまで延伸する計画もあるが、予算確保などが障壁となり実現時期は未定となっている。
日本経済新聞 2023年7月1日 11:41
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB0110S0R00C23A7000000/?n_cid=SNSTW001&n_tw=1688180318