石破茂首相(自民党総裁)は10日、日本維新の会の馬場伸幸代表と首相公邸で会談した。馬場氏は、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開など維新が求める政治改革関連法の改正について、年内召集の臨時国会までに結論を出すことを要求。首相は「重く受け止める」と答えた。自民は臨時国会で政治資金規正法を含む関連法の再改正を模索しており、改正案の具体化作業を加速させる。
旧文通費の改革を巡っては、馬場氏が5月に岸田文雄首相(当時)と合意文書を交わしたが、自民は通常国会での改革を見送った。石破首相は10日の会談で、馬場氏との合意が継続しているか確認を求められ「公党同士の約束なので間違いなく継承している」と述べた。
首相は会談後、記者団に旧文通費改革を含む法改正について「共通のルールの話だから各党と議論する」とし、「維新とはそういういきさつがあるので、今日の意見あるいは主張を真摯(しんし)に丁寧に受け止めて、これから対応していきたい」と語った。規正法の再改正を巡っては「年内かどうかは別として、早急に議論を詰めて結論を得ることは日本政治全体にとって必要なことだ」と早期実現に意欲を示した。
首相は衆院選翌日の10月28日の記者会見で、衆院選大敗は「党の改革姿勢に対する国民の厳しい叱責」だとの見解を示し、「政治とカネ」の問題で「抜本的な改革を行っていく」と表明。旧文通費改革のほか、政策活動費の廃止、政治資金を監視する第三者機関の設置について、与野党協議を経て「速やかに実現を図っていく」と語っていた。
馬場氏は10日の記者会見で、臨時国会で予定される補正予算案などの審議について、「是々非々路線は一度横に置いて徹底的に自民党、政府の考え方をただしていく」と強調。「政治とカネの話が決着しない間は次の(維新の)代表に引き継ぎも行って、一切の妥協はしない」と語った。【田中裕之、金寿英】
毎日新聞 2024/11/10 20:08(最終更新 11/10 20:08)
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