『PSO』シリーズのおもしろさの本質はエネミーと戦いアイテムを集めるハック&スラッシュと認識し、そのためのクエストや特殊なエネミーといったものには一切課金しないことを決定。
逆にキャラクターの見た目や武器の強化、倉庫やマイルームといったより深く楽しむ要素はスクラッチ(ガチャ)として取り入れ、課金ユーザーと無課金ユーザーがいっしょに遊べる環境の構築を目指したという。
開発サイドでは無課金ユーザーは課金ユーザーの予備軍であることに加えて、無料ユーザーが多いほどゲーム全体のユーザ滞留時間が増え、課金ユーザーの満足感につながると捉えている。
課金アイテムは売れ線のみの個別販売も検討したが、そうすると利益が出るものしか作らなくなり、コストの上昇や品揃えが歪みになることを懸念。「セーラー服とかスクール水着しか作れない(笑)」と酒井氏は言う。
加えて、無課金で手に入れる方法も残しておかないと、大多数のユーザーにとってはうれしくないという。長年『PSO』で課金形態を模索してきただけに、酒井氏の言葉には重みと説得力がある。
その解決策がスクラッチなのだが、『PSO2』では“ハズレ感を極力減らす”ことに注力。お目当て以外のアイテムにも相応の価値を持たせ、メセタ(ゲーム内通貨)で取引させて経済を生み出すことを副次的な目的にしている。
高額のスクラッチやリサイクルショップも用意されており、工夫と模索のあとがうかがえる。そのかいあってか、酒井氏は「登録人数は想定以上(に多い)。
95万IDを超えています。毎日数千の登録がある」としながらも、プレミアムセット(※さまざまな拡張機能を期間限定で使えるサービス)の購入率を高める課題もあるという。
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